Netflixオリジナル『ブリーズ 息を止めないで』(Keep Breathing)は、弁護士の女性が飛行機の墜落によって大自然に投げ出されるサバイバル+人間ドラマ。
作品情報・キャスト・あらすじ・見どころ、ネタバレ感想・忖度なし評価、物語の本当の意味考察を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
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Netflix『ブリーズ 息を止めないで』作品情報・キャスト解説
リミテッドシーズンの話数:30〜40分×全6話
原題:『Keep Breathing』
ジャンル:サバイバル・ヒューマンドラマ
監督:マギー・カイリー/レベッカ・ロドリゲス
脚本:ブレンダン・ガル/マーティン・ゲーロ/イトゥーリ・ソーサ
登場人物・キャスト紹介
登場人物 | キャスト |
主人公・リヴ(他人を寄せつけない仕事一筋の弁護士) | メリッサ・バレラ (代表作 映画『イン・ザ・ハイツ』) |
ダニー(リヴの同僚で恋人) | ジェフ・ウィルブッシュ |
サム(リヴを飛行機に乗せてくれた謎の男性) | オースティン・ストウェル |
あらすじ
©︎Netflix
仕事一筋の弁護士・リヴは、ある出来事をきっかけに幼少期に離れていった母親がいるイヌヴィックへ向かおうとする。
しかし悪天候で飛行機が飛ばず。写真家のサムが小型機でイヌヴィックに行くのを知り、無理を言って乗せてもらった。
しかし飛行機は計器の故障で墜落。そこは広大な山・森林が広がるカナダの大自然の真っただ中。
携帯も通じず、リヴはどうやって生き抜こうか途方に暮れて…。
ネタバレなし感想・海外評価
女性が大自然の中で自分の無力さを感じ、過去のトラウマに向き合っていく内容。
海外レビューサイトの評価も低めで、「回想シーンが退屈すぎる」というコメントが多かったです。
個人的には本作を見るより、普通にサバイバルリアリティ番組を見たほうが楽しいと思います。
おすすめ度 | 42% |
サバイバル度 | 35% |
ストーリー | 48% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.1(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 38% 一般の視聴者 45% |
※以下、ドラマ『ブリーズ 息を止めないで』のストーリーネタバレありなので注意してください!
Netflix『ブリーズ 息を止めないで』ネタバレ感想・評価
サバイバルなんかしたこともない女性・リヴがカナダの大自然に投げ出されて奮闘する一方、幼少期の母親の出奔、最近あった父の死、恋人ダニーに冷たくしてしまったことを回想。
過去を精神的に乗り越えながら、それとシンクロして火の確保や穴への落下から抜け出すなど現実の危機を乗り越えていく。
自然の中で必要な備品なく生き抜くのは想像の何倍も過酷で、その中で何度も自分を見つめ直さなければなりません。
私もそこまで過酷なサバイバルは経験したことないですが、エド・スタフォードの裸一貫での無人島挑戦や、カナダの僻地で最低限の装備で数十日生き抜く「ALONE 孤独のサバイバー」などドキュメンタリーを見ていると、現状を乗り越えるためには、過去も含めた自分の精神的な壁を乗り越える必要があると画面からヒシヒシと伝わってきます。
本ドラマの発案者もそういったサバイバルのリアリティ番組からインスパイアを受けたのかもしれません。
ただ、最初に飛行機が川?湖?に墜落してそこから脱出する1話以降は尻すぼみ感が拭えません。
本作の場合はちょっと回想・妄想シーンが多すぎて、逆にサバイバルは火起こしと磁石作りしかやっていなかったです。
サバイバル番組好きの私からすると物足りなすぎました。
サバイバルとして面白かったのはクマ(グリズリー)が出てきたシーンくらい。
幼少期の母との思い出や、恋人ダニーに冷たくしてしまった回想シーンは、主人公リヴが生き方をどう変えていくかというテーマに直結しているので必要です。
母親が絵描きでリヴをモデルに絵を描くも、顔に赤い絵の具がべっとり塗られているなどアーティスティックなトラウマ描写は良かった。
©︎Netflix
ただ回想のほとんどが「母が自分に構ってくれずにいなくなった…」という毎回似たようなシーンなのでマンネリ感も。やや食傷気味でした。
それを6話まで引き延ばしているのでストーリー性の薄さは否めません。
物語の本当の意味を考察
主人公・リヴが自然の中で生きようともがきながら過去のトラウマを回想する。
なぜタイトルがKeep Breathing(息を止めないで)なのか考えながら物語全体を捉えたとき、ストーリーの本当の意味は第2の誕生なのだと思います。
赤ちゃんとして生物的に生まれてくるのを第1の誕生とすると、親との関係のトラウマ払拭を果たして本当の自分になれたのが第2の誕生です。
最終第6話で川に流されたリヴが人に発見されて息を吹き返したことが、生まれたての赤ちゃんがはじめて自分で息をするメタファーになっています。
大自然=母親の胎内で、リヴは自然の中で苦しみながらもマザーアース(母なる大地)に抱かれていたという意味のドラマなのでしょう。
大自然は母親だけでなく、父親、恋人のダニー、墜落後に死んだサム、子供の頃の自分などさまざまな性質を見せ、リヴを精神的に大きく成長させました。
そしてリヴは自由奔放な母親が出て行ったトラウマを克服し、本当の自分を誕生させたのではないでしょうか。
誰にでも大なり小なり幼少期のトラウマがあります。
その心の殻を破って、自分の心の中から本当の自分を探し出せるのは、自分しかいません。
最後のまとめ
Netflixオリジナルドラマ『ブリーズ 息を止めないで』は、女性が大自然の中で自分の生き方を見つめ直していくコンセプトが素晴らしい作品でした。
一方でサバイバルや回想をもっとバリエーション豊かに表現できていれば良作になったと思うと残念です。全体的に薄味すぎました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。レビュー終わり!
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