『ジョーカー2』ネタバレ考察,ラストシーンの意味,次のジョーカー,ハーレイ・クインの正体

  • 2024年10月13日

ネタバレ少なめのあらすじ解説と感想

映画『ジョーカー2 フォリ・ア・ドゥ』ネタバレ・ラスト結末の解説

前作の復習はコチラ

映画『ジョーカー』(2019)。期待を軽く超えるホアキン・フェニックスのジョーカーに悪寒が走る。走り方や仕草、すべにおいて異質! 個人的にはダークナイトでヒース・レジャーが演じたジョーカーを超えたと考える。(スーサイド・スクワッドでジ[…]

映画『ジョーカー(2019)』

ジョーカーとして5人を殺害し、暴動を扇動したアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)。彼はアーカム・アサイラム(アーカム精神病院)の犯罪者病棟に隔離されていた。体は痩せ細っている。看守のジャッキー・サリヴァン(ブレンダン・グリーソン)がジョークを言えというが、もうアーサーにはかつてのようにジョークをいう元気もなくなっていた。

そんな中、アーサーは弁護士のメアリーアン・スチュワート(キャサリン・キーナー)と面会するために隣の一般病棟へ。そこの一室で歌っている(歌唱療法)ハーレイ・リー・クインゼル(レディー・ガガ)が目に留まった。ハーレイもアーサーを見つめていた。

歌好きの看守ジャッキーの計らいでアーサーは翌週から歌唱療法のクラスに出ることになる。アーサーはハーレイ・リーと話す。彼女はジョーカーである自分の大ファンだという。世界でジョーカーのドラマシリーズが大ヒットし、アーサーは外ではカリスマ扱いらしい

ハーレイはアーサーが暮らしていたアパートの近くの出身らしく、幼い頃に父親が死んで母親から暴力を振るわれ、実家に火をつけてこの病棟に入れられたようだ。

アーサーはハーレイに恋をして次第に元気を取り戻す。ハーレイが独房にやってきた(看守に体を売って入れてもらった)。アーサーはハーレイと体を重ねる。

アーサーとハーレイが親密なことが世間でも話題になり、ハーレイは母親によって病院から出されることになった。

アーサーの裁判が始まる。ハーレイは毎回見にきた。裁判の様子は全国に生中継される。

弁護士・メアリーアンは「アーサーがジョーカーと二重人格で、精神疾患にあたり殺人の責任能力はない!」という線で進めていこうとする。しかし検事のハービー・デント(ハリー・ローティー)がそれに反論。ヴィクター・ルー博士(ケン・レオン)はアーサーは多重人格ではないと主張する。

アーサーはメアリーアンから、「ハーレイの父親は生きていて医者で、母親も健在。彼女は実家に住んでいて彼女自身も精神科医である。ハーレイは自ら進んで入院し、勝手に退院した」と聞かされて驚く。

アーサーは病棟に面会に来たハーレイに身の上話は嘘だったのか?と尋ねる。ハーレイはみんな少しは嘘をつくといい、あなたの子供を妊娠したと続けた。

裁判は進み、ソフィー・デュモン(ザジー・ビーツ/前作でアーサーが恋人だと思っていた人物)が、アーサーが以前どんな状態だったか証言する。

ハーレイは「メアリーアンをクビにするべきだ」とアーサーに話す。アーサーはメアリーをクビにし、自分で自分を弁護することに。ジョーカーのメイクをして法廷に立った。

かつてのアーサーの同僚ゲイリー・パドルズ(リー・ギル/小人症の道化師)が、アーサーが同僚を目の前で殺したと証言。アーサーは反対尋問をするが、支離滅裂なことしか言えなかった。パドルズはアーサーに「お前だけは俺のことを馬鹿にしなかった。でも今はお前が怖くて眠れない」と言った。アーサーは悲しそうな表情を浮かべる。

看守のジャッキーたちがシャワー室でアーサーを暴行する。アーサーを慕っていた囚人・リッキーも殺された。アーサーは独房で涙を流す。

アーサーは裁判で、「ジョーカーはいない。俺が母親を含めて6人を殺害した」と証言した。ハーレイたち信者はジョーカーはいないという言葉に失望し、傍聴席から去っていく

そのすぐ後、裁判所で大爆発が起きる。ジョーカー信者の仕業だ。アーサーは他のジョーカー信者に連れられて裁判所から車で逃げるが、その車からも飛び出して自分が住んでいた近所の長い階段へ。そこにハーレイはいた。アーサーは「2人ならなんでもできる」というが、ハーレイは「あなたはジョーカーはいないと言った。あなたは全てを手にできそうだったのに全部諦めた」と言いはなつ。

ハーレイは去り、アーサーは逮捕された。

その後、アーサーはまたアーカム・アサイラムに入れられていた。看守が面会だ!と言う。アーサーが通路を歩いていくと、若い囚人がやってきて、「ジョークを聞いてくれバーに入ったらジョーカーがいた。しかし実物は想像とだいぶ違った。彼は君のおごりならなんでも飲むと言ったから報復してやった。これが報いだ」と笑う。そして若い囚人はアーサーの腹部をナイフで何度も刺した

若い囚人は自らの口を切り裂いて笑う。アーサーはそのまま死亡した

考察1:衝撃ラストシーンの意味はジョーカーの受け継ぎ

最後にアーサーを刺した男はコナー・ストーリーという俳優が演じているが、クレジット名はyoung inmate(若い囚人)で実質名無しである。

トッド・フィリップス監督によると、彼が次のジョーカー=バットマンと戦うジョーカーになるようだ。

最後のシーンはジョーカーの狂気が2代目に受け継がれるシーンだったのである。

ちなみにこの若い囚人も、ハーレイやリッキーのようにジョーカー信者だったようだが、アーサーが「ジョーカーはいない!」と発言したことに怒り彼を殺したのだろう。幻想の世界で生きていた者たちが現実を見せつけられた報いとしてアーサーを殺した!と考える。

考察2:影に殺される!?意味不明なストーリーを解説

冒頭でジョーカーのアニメが流れる。ジョーカーはスターだがTVショーの前に自分の影に翻弄され、影がしでかした悪事によって警官たちにボコボコにされて殺されてしまう内容だった。

このアニメは本編のテーマ「影に殺される!」を内包している。本編だけだと意味不明だから最初に全体のメッセージを伝えるアニメを入れたのだろう。

影とはジョーカーという虚像のことだ。アーサーは、全て自分がやったことだ…ジョーカーはいない!と自らのアイデンティティを認めた。しかし影がやった殺人の罪が消えるわけではないし、ハーレイや他の信者が熱狂するジョーカー像も消えない=影は消えないのである。

そして最後はジョーカーの影が若い囚人に乗り移り、アーサーは狂気の入れ物としての役割を終えたように死んでいった。そう考えるとかなり感慨深く、悲しい物語である。

ジョーカーとは虚像=影でしかないが、その影は大衆を操り、本人を殺し、ネクストジョーカーに伝染していった

「すべてがジョーク?」本作のテーマやコンセプト、ハーレイ・クインの正体、前作との決定的な違いについて徹底解説していく↓