ひどい駄作?傑作?Netflixドラマ『今際の国のアリス』徹底考察・ネタバレ解説,オチは臨死?

  • 2024年3月24日

Netflixオリジナル『今際の国のアリス』がどんなドラマなのか独自の解説をしていきたいと思う。

個人的には海外ドラマ・LOST+ハンターハンターという印象。

原作漫画のオチからの考察もあり。

※Netflixのドラマや原作漫画のネタバレを含んでいます。

(ドラマのあらすじネタバレ感想を読みたい方はこちら↓)

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Netflixドラマ 今際の国のアリス

Netflix『今際の国のアリス』は傑作?ひどい駄作?

Netflixドラマ 今際の国のアリス

個人的な評価になるが結論は傑作。ドラマは期待してた以上に楽しめた。

2022年12月には『今際の国のアリス シーズン2』も公開され、全世界でランキング入りするなど好評価を記録している。

チームで生き残りをかけてゲームをしていくというありふれたストーリーではあるが、アクションは派手で見応えがあるし、登場キャラにも魅力がある。

舞台もパーティー感が満載で、非日常的。見ていてテンション上がった。

さまざまな謎が絶妙なタイミングで解き明かされるため、サスペンス的にも面白い!

Netflixに入会しているなら絶対に視聴して欲しい作品だ。

今際の国のアリスネタバレ考察/展開が『ハンターハンター』

登場人物 アリスとウサギ

ゲームを集団戦でクリアしていく過程が、冨樫義博のコミック『ハンターハンター』に似ていると感じた。特に心理戦にも重きを置いている点が共通している。

とくにビーチに行って大集団でカードを集める頃からは、『ハンターハンター』のグリードアイランド編にそっくり

まあ、面白いからいいんだけどね!

ハンターハンター グリードアイランドBlu-ray

『今際の国のアリス』は、『ハンターハンター』のようにゲームや勝つこと自体が重要ではなく、登場人物がパニックを起こしていく過程に重きをおいているところが異なる。

登場キャラの回想が効果的

今際の国のアリスの主要人物、アリス、カルベ、チョータ、シブキ

登場キャラに深みを持たせるために、回想でバックボーンを差し込んでいるところが良い。

海外ドラマ『LOST』みたいに半分くらい回想というわけではなく、さらっと思い出すくらいなんだけど、過去どんな人物だったのかわかり、とっても感情移入できる。

例えばこんな感じ、

  • クイナは性同一性障害で、空手師範の父から勘当され、性転換した
  • ニラギはめちゃいじめられっ子だった
  • ラスボスは生きるか死ぬかの世界に憧れていた引きこもりだった
  • アグニとボーシヤは唯一無二の親友だった

映画でもドラマでもよくある手法だけど、『今際の国のアリス』こういった回想のワンシーンを効果的に挟んでいる。群像劇的に敵・味方の人生が楽しめるのだ。

2020年に公開されたドラマだと、『ウォーキング・デッドワールド ワールドビヨンド 』も過去の回想がたくさんあったが、『今際の国のアリス』の方が断然面白い。

そういえば『鬼滅の刃』も回想シーン多くて効果的だよね。こちらに近いかもしれない。

『今際の国のアリス』原作漫画の臨死オチを考察

※原作漫画とドラマのネタバレ・オチを含んでいます。

原作のオチは臨死・死ぬ間際の夢

今際の国のアリス原作漫画

ドラマはシーズン1で漫画でいうとまだ中盤。『今際の国のアリス』の原作コミックスは2016年にすでに完結している(続編:『今際の国のアリス RETRY』も全2巻で完結)。

原作のオチをわかりやすく説明すると、アリスたちは隕石の衝突に巻き込まれ死ぬ間際の世界にいるというもの。つまり臨死体験でした!というよくある結末。

Netflixのドラマ版でも、シーズン2で大枠では原作マンガと同じ結末となった。

この結末に納得いかないという視聴者もたくさんいるようだが、個人的にはオチ自体が重要な作品ではなく、アクションや人間ドラマがメインだと考えれば納得できた。

大事なのはデスゲームの悲惨さと、そこであぶり出される人間模様という過程であり、なぜデスゲームをしているかの理由ではないのだ。

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『今際の国のアリス RETRY』

結局、今際の国とは何か?

今際の国が生と死の中間の国であることは確かだ。

しかしなぜ高度にシステム化されデスゲームが行われているかなど具体的なことは解明されていない。

ただ推測はできる。

「ゲームで生死が分けられる」とは、その人の生きたいという意志や、現実世界での経験や知識に一定の価値が与えられているといえる。

単なる頭の良さや体力勝負で生き残れるゲームばかりでないことから、生きたいという意志がより重要なのだろう。

何が言いたいかというと、人の価値をさまざまな側面で計測して生きるか死ぬか、今際の国にいつづけさせるか決める命の価値判断をする世界が今際の国だということ。

そして今際の国を運営する人知を超えた存在がいるということ。

その管理者が漫画やドラマのシーズン2で出てきたジョーカーなのだろう。

ジョーカーの正体もマンガでもドラマでもわからずじまいだったが、推測するに神に近い存在なのだと思う。

アリスはジョーカーについて「中間管理職」といっていたが、仮にそうだとしてもトランプのゲーム世界の上位概念が存在することになるだけで、ジョーカーがトランプゲームの支配者であることには変わりないような気がする。

海外ドラマ『LOST』に近いテーマ

臨死体験の物語はたくさんあるけど、テーマ性まで考えるとやっぱりドラマ『LOST(ロスト)』に近い。

理由は、登場キャラクターがみんな過去に葛藤やトラウマを抱えているからだ。

絶望の物語でありながら、生きることの意味を映し出していて見応えがある。

現実社会を忘れて一からやり直しつつ、他者との関係・自己の成長を丁寧に描かれている。

今際の国の何が新しい?

『LOST』や『ハンターハンター』に似ているだけでなく、『今際の国のアリス』の斬新な点も考えてみよう。

それは、臨死体験からゲームをして復活できる設定ではないだろうか。

映画『マルホランド・ドライブ』のように「実は死んでました」とか、よくある「いろいろ頑張ってたら目が覚めました」ではない。

明確にゲームで生き返るか死ぬか決まるのだ。

深掘りすると、人間の生死をコントロールする存在がいるということ。

人間は命をもてあそぶ誰かのゲームの駒にすぎないと言っているようだ。