実話をもとにしたNetflix戦争映画『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』(Devotion)。1950年の朝鮮戦争で活躍したアメリカ海軍の黒人パイロットの生き様を描きます。
- 作品情報・キャスト
- ネタバレなしの感想
- ぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
- 物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
作品についての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓
映画『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』作品情報・予告
原題:『Devotion』
ジャンル:戦争アクション・戦闘機・ヒューマンドラマ・黒人差別問題
年齢制限:13+(13歳以上推奨)
監督:J・D・ディラード
脚本:ジェイク・クレイン/ジョナサン・A・スチュワート
原作:アダム・マコスのノンフィクション小説「Devotion: An Epic Story of Heroism, Friendship, and Sacrifice」
『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』キャスト
主人公のジェシー・ブラウンを演じるのはジョナサン・メジャース。差別による葛藤と哀しみを抱えたパイロットを好演していました。
ジョナサン・メジャースは『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野』でも主人公で出てましたね。2023年は彼が出演する『アントマン&ワスプ:クアントマニア』や『クリード3』も公開されます。
ジェシーのウィングマン/トム・ハドナー役にはグレン・パウエル。『トップガンマーヴェリック』のハングマン役に続きパイロットを演じました。
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『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』あらすじ
©︎Netflix
1950年。トム・ハドナー(グレン・パウエル)は海軍・VF-32隊に配属された。
トムは黒人初のパイロット、ジェシー・ブラウン(ジョナサン・メジャース)のウィングマン(ペアとなる戦闘機)となる。
ジェシーは長年軍隊の中で黒人差別にさらされていたが、パイロットとしての腕は優秀でVF-32隊で彼を悪く言うものはいなかった。
ジェシーやトムは日々激しい飛行訓練を行う。
トムには自分が航空学校を卒業したときにはすでに戦争が終わっていたことに煮え切らない思いがあった。
VF-32隊はF4Uコルセアという新しい戦闘機を取り入れる。しかし今までの機体と違って操縦は格段に難しくなった。
ある日、ソビエトが地中海に攻め入るという情報が入ってくる。
コルセアで空母に着陸するテストがはじまった。トムは一発で着陸に成功。
ジェシーは今まで言われてきた差別の言葉を鏡の中の自分に向かって叫び、気持ちを奮い立たせる。
ジェシーは1回目は失敗して離陸してしまうが、2回目で着陸に成功。空母で働く黒人たちが甲板に集まって喜んだ。
ある日、VF-32隊のメンバーのキャロルがジャイロテストの最中に着陸に失敗して死亡。ジェシーやトムたちは悲しむ。
ジェシーはトムに、黒人だから入隊したての頃はひどくいじめられ、訓練で上官に素直にしたがっていたら死んでいたと涙を浮かべて話した。
トムやジェシーはフランスのカンヌで束の間の自由時間を謳歌する。ジェシーは映画スターのエリザベス・テイラーと偶然出会い、カジノに誘われる。
ジェシーはトムたちを連れてカジノへ。エリザベス・テイラーは親切にしてくれるが、黒人のジェシーを差別するスタッフは多かった。
そんななか、中国の援助を受けた北朝鮮が韓国に攻め入り朝鮮戦争が勃発。
VF-32隊も現地で戦闘任務に就くことになった。
ネタバレなし感想・海外評価
いっぽう、ストーリーや人間ドラマはわりとたんたんと進んでいきます。
リアリティを壊さないためか登場人物たちが熱く燃え上がるという感じではないため、好みが分かれるでしょう。
黒人差別を受けながらもパイロットになり立派に任務をはたすジェシーに尊敬の念を覚えこれが実話だったことに驚きました。
しかし、映画としてすごく楽しめたかというとそうでもないというのが正直なところ。
『トップガンマーヴェリック』と似たテーマであり同作でハングマン役を務めたグレン・パウエルも出演してますが、クオリティはさすがにおよびません。
おすすめ度 | |
世界観 | |
ストーリー | |
IMDb(海外レビューサイト) | 6.7(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 81% 一般の視聴者 92% |
メタスコア(Metacritic) | 66(100点中) |
※以下、Netflix映画『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』ネタバレ感想・評価
『トップガン』と黒人差別をテーマにした『グリーンブック』をかけ合わせたようなテイストでした。
黒人差別が相当はげしかったであろう1950年代に黒人パイロットが活躍していた事実と、彼の不屈の精神に勇気をもらえます。
主人公・ジェシーが鏡のなかの自分に向かって今まで言われてきた人種差別の言葉をぶつけているシーンが印象的でしたね。
普段は冷静そうに振る舞って感情吐露をしないジェシーですが、当時の軍隊でパイロットになるまで想像を絶する苦労と葛藤があったとわかります。
ラストで主人公・ジェシーは不時着して北朝鮮で死んでしまいました。
さらにエンディングでは当時のウィングマンだったトム本人が2013年にやっと北朝鮮に入ったことなど関係者がどうにかジェシーの遺体を回収しようといまだに頑張っている後日譚が紹介され感動。
ジェシーが妻に宛てた実際の手紙も読まれ、胸が熱くなりました。
あとは特に好きだったのはジェシーが戦地から送った手紙が妻・デイジーの誕生日に届き、手紙の手がかりから家の棚に隠してあったプレゼントを見つけて娘と一緒によろこぶシーン。
ただ全体的にはそこまで没頭できませんでした。
実話をもとにしたストーリーということで主人公や登場人物と心情的な距離をおくような撮り方をしていたのだと思うのですが、なんかその距離感にハマれなかったのです。
生死を共にするスリリングな物語に視聴者が没頭するというよりは、物語がたんたんと展開していく印象だったからだと思います。
トップガンみたいにめちゃくちゃ青春するとか、パートナー同士喧嘩するとかはなく(話し合いはあるけど)、リアルはリアルなのかも知れないですがワクワクはしませんでした。
あとは戦闘シーンも完璧な正解である『トップガンマーヴェリック』と頭の中でどうしても比べてしまいます。
プロペラ機・コルセアは現在もう使われてないので戦闘シーンはCG合成していたらしいですが、迫力があって楽しめるシーンとそうでもないシーンの落差が激しいと思いました。
映画『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』ネタバレあらすじ解説
朝鮮戦争での出撃!
最後の夜、ジェシーの妻・デイジーはトムに「何があっても夫のそばにいてあげてほしい」と頼む。トムはうなずいた。
VF-32隊を乗せた空母は日本海へ移動。
ジェシーはデイジーの誕生日に手紙を送った。手紙を読んだデイジーは、ジェシーが家の棚に隠してくれていたプレゼントのイヤリングを見つけてよろこんだ。
とうとうジェシーたちの部隊の出撃の日がやってくる。ジェシーやトムにとって初の実戦だ。
ジェシーは敵の対空砲撃をかわして攻撃目標の橋をミサイルで爆破することに成功。
しかしトムが、ジェシーが命令を無視して突っ込んだことを任務報告書にバカ正直に書いてしまったため、ジェシーは上層部から不服従の判断をくだされる。
トムはジェシーにあやまった。ジェシーは落胆のすえ、俺のウィングマンでいてくれと言った。
ラスト結末!
第1海兵師団が上陸して戦っていたが中国側の兵士が多すぎてこのままだと壊滅してしまうという情報が入った。第1海兵師団はジェシーを差別した奴らがいる部隊だ。
出撃したジェシーは勇猛果敢に中国軍を撃破して第1海兵師団を助けた。しかし燃料タンクを撃たれてしまう。
ジェシーはトムの誘導で不時着。しかし足が機体にはさまって出てこれない。
トムも着陸して戦闘機から降り、ジェシーを助けようと奮闘(ふんとう)する。
ジェシーの旧友もヘリで救助にやってくるが、ジェシーを機体から出せなかった。
ジェシーはトムに「妻への愛を伝えてくれ」と言い残して不時着のダメージで死亡。
ジェシーは遺体を回収しに必ず帰ってくると誓った。
しかし空母に戻ったジェシーは足の傷でドクターストップを受ける。
VF-32隊はジェシーの遺体を回収に行きたかったが、機体が不時着した場所は敵の陣地だったため不可能だった。
VF-32隊は大佐から墜落した機体の爆破を命じられる。
数カ月後、トムは軍から勲章を授与された。ジェシーの写真も並んでおり、ジェシーの妻・デイジーも出席している。
トムはデイジーにジェシーを救えなかったことをあやまった。デイジーは気にするなと返す。
デイジーはビーチを散歩しながら、トムが操縦する戦闘機を空にながめていた。
(エンディングでは、ジェシー本人がデイジーに宛てた直筆の手紙が読みあげられる。)
映画『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』終わり!
最後のまとめ
Netflix『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』は実話をもとにした感想作でしたが、映画としての面白さや完成度は正直いって普通でした。
でも黒人差別がまだ激しい時代にジェシー・ブラウンという男がいたことや、トムが彼の遺体をまだ探しているという切ない事実を胸にきざんでおきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。『ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン』(Devotion)レビュー終わり!