映画『母性』ネタバレ考察・感想!ラストの怖い意味,無償の愛の狂気,原作との違い,あらすじ解説

『母性』ネタバレあらすじ解説

母の証言

ルミ子は田所と結婚するが、彼は自分が作る食事を美味しいとも言ってくれず、髪形を変えても何も言ってくれない。

不満を感じていたルミ子だったが、母が毎日のように料理を教えにきてくれたので満たされていた。

やがてルミ子は妊娠。ルミ子は不安になるが、母が「新しい命が未来へとつむがれていくのだから幸せなことだ」とはげます。

ルミ子は清佳を出産。田所よりも母のほうがよろこんでいた。

娘・清佳に「おばあさまや他の人が何をしたらよろこぶか、いつも考えながら生活しなさい」と言い聞かて育てた。

幼稚園に入った清佳は発表会で義母(高畑淳子)を楽しませる。

「教育がしっかりしている」とルミ子ははじめて義母からほめられ、精一杯尽くせば相手はわかってくれるとあらためて実感した。

ルミ子は、清佳が実母の刺繍(ししゅう)をほどこしたカバンではなくキティちゃんのものがほしいと言ったことにショックを受け、弁当箱を落とす。

ある日台風が発生。夫は夜勤でいなかった。

夜停電になり、母は清佳と同じ部屋で寝た。しかし台風で2人の寝ている部屋に折れた大木がガラス窓を割って倒れてくる。

ルミ子が物音に気づいて部屋に行ったとき、母は清佳を守ってタンスの下敷きになっていた。

ルミ子は清佳のことは気にせず母を助けようとする。

母は「私じゃなくて娘を助けなさい」と言って手を振りほどいた

ルミ子は娘をかかえて家から脱出し、母は炎に包まれる家の中で死亡

ルミ子たちは田所家(夫の実家)で暮らすことになる。

義母は口汚く、人使いが荒く、いつもルミ子に罵声を浴びせこき使っていた。

ルミ子はそれでも義母に気に入られようと家事や農作業を必死でこなすのだった。

娘の証言

娘の清佳(さやか/永野芽郁)は高校生に成長。

高校生になった清佳は、母・ルミ子をかわいそうに思い祖母に口ごたえする。

しかしルミ子は、「祖母に気に入られるように考えて行動しろ」と清佳を責めた。

清佳はルミ子が自分を愛してくれないことにずっと悩んでいた

ある日、律子(山下リオ/祖母の娘)が家に恋人を連れてくる。

恋人には借金があるらしく、祖母は結婚に猛反対した。

祖母は清佳に律子の部屋を見張っているようにいうが、清佳は律子を外に出した。

そのまま律子は帰ってこず、娘を溺愛していた祖母は泣きじゃくって清佳に罵声を浴びせた。

夜、祖母の機嫌を損ねたことに絶望した母が、寝ている清佳を布団のうえから何度もたたいた。父は見て見ぬふりをする。

ラスト結末・衝撃の真実

清佳は下校途中で家と反対側へ行く父を見つけ、不思議に思ってあとをつける。

父が入っていったのは祖母(ルミ子の母)の実家だった。母・ルミ子はその家を親友・仁美に貸していたのだ。

父は仁美と不倫をしており、残業があるといっては毎晩この家に来ていたことが判明

清佳は父と仁美に「自分たちのしていることが恥ずかしくないのか」と問う。

すると仁美が、「あなたの祖母は、あなたを守るために自殺した。お父さんは、あなたと母親の関係を見ていられなかったから不倫している」と衝撃の事実を告白した。

清佳は絶望し、走って家に帰る。

そして母・ルミ子に「おばあちゃんは私を守って自殺したんでしょ!?」と言って何度もあやまった。

正気を失いかけたルミ子は、清佳を抱きしめるかと思いきや首をしめた

清佳はその手を振りほどいて家の中に入る。

夜、清佳は庭の木で首つり自殺を図る。途中でロープが解け、清佳は木から落ちて倒れた。

発見した義母が急いで救急車を呼ぶ。

ルミ子は清佳に近づいて手をにぎった。

清佳は病院に運ばれる。

ルミ子は教会で私が悪かったと懺悔(ざんげ)した。

清佳は病院で目を覚まし、母・ルミ子と絆を確かめあった

現在

清佳は教師になっていた。

高校生の女の子が自殺した事件でその子の母親が「愛あたうかぎり娘を愛していた」というインタビューを聞き、かつての自分と母の関係を思い出す。

仁美とその旦那が働く居酒屋で清佳は「女には2種類ある。母と娘だ」と話した。

妊娠した清佳は母・ルミ子に電話。ルミ子は新しい命が紡がれるとよろこぶ

清佳は、「私は母と娘どっちだろう」とつぶやいた。

『母性』終わり!

湊かなえの原作小説との違い

(原作小説もとても面白いのでぜひ読んでみてください)

映画と原作小説は大まかな流れは一緒ですが、異なっている点も多いです。

1番大きいのは、小説にはルミ子が第二子を妊娠し桜と名づけるが流産してしまうくだりがあることです。

母・ルミ子に降りかかる悲劇という意味では小説のほうが重い内容ですね。

それ以外では主に下記の設定が違います。

  • 実母は首をハサミで刺したのではなく舌を噛んで自殺
  • 田所家の義父が生きていた頃も描かれる
  • 律子の姉・憲子とそのおさない息子の英紀がルミ子に迷惑をかける
  • 律子(りっちゃん)が太っている
  • 中峰敏子や彰子が姓名占いをする
  • 田所哲司・夫が娘の自殺未遂のあと失踪する

あとは感覚の部分もありますが、小説のほうが娘・清佳の荒っぽい言動などが強調されていて、どちらの手記も信用できないという意味合いが強いです。

シネマグ
証言の違いというより、同じ出来事でもお互いに認識がずれていて歩み寄れないもどかしさがより強く感じられるのが原作小説のよさです。

最後のまとめ

湊かなえのベストセラー小説を映画化した『母性』は、だれもが持つ親子の割り切れない葛藤を鋭いコンセプトであぶり出したすばらしい作品でした。

いっぽうでストーリーの面白さももう少しほしかったのも正直なところ。

大地真央さん演じる祖母が自殺していたのにはびっくりしましたが、それ以外はひたすら母娘がすれ違う重苦しいシーンを淡々と見せつけられます。

死亡していた女子高生が実は清佳ではないというのも、冒頭で永野芽郁が教師としてその事件を聞くシーンでわかりましたし。

時系列をひねるならもっと複雑でわかりにくくしたほうがサスペンス的にはよかったと思いました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『母性』レビュー終わり!

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