最近、邦画を観ていると急に変な発作が起きそうになるので、なんかの病気かと思ったが、冷静に考えると邦画の方に問題がある可能性もある!
誤解しないでほしいが、邦画が嫌いというわけではない。小さい頃に観た『寅さん』シリーズや『釣りバカ日誌、『マルサの女、黒澤明の『七人の侍』『羅生門』など、思い入れがある名作はたくさんある。
しかし、一昨日も映画進撃の巨人を観ていて発作が起きそうになった。
この記事では、最近の邦画がゴミな理由をいくつか挙げ、解説・考察してみたので、読んでみてほしい。
解決策まで読んでくれた人は、一緒に日本映画の未来を守ろう!
最近の邦画がゴミな理由1/アイドルキャスティング
AKB、ジャニーズ、EXILEを筆頭に、アイドルは日本の映画業界に大きな影響を及ぼしている。
〇〇ちゃん・〇〇君が出ているから観に行く!というファン心理は理解できるが、内容でなく顔面を観て満足する客が多数派になってしまったのが、桜舞い散るごとくの我が日本。
宣伝効果と動員数が見込め、さらにファンが映画のグッズやDVDを買ってくれるので、製作側もビジネスである以上、アイドルキャスティングせざるを得ないのだろう。
結果、大根役者のみならず、ゴボウみたいな青二才がいきなりオーバーリアクションする演技を2時間観させられる拷問開始となる。いきなり泣いたり叫んだりするな!ビックリするだろうが!
登場人物がイケメンと美女ばかり
アイドルキャスティングは、もっとタチが悪い別の問題も孕んでいる。
主役はもちろんイケメン、ヒロインは美女!そこまでは許せるし普通だろう。
しかし、三枚目役の奴までイケメン。ヒロインの友達まで美女!これは許せん!
脇役までイケメンや美女ばかりだと日常とかけ離れすぎていて、感情移入できない!
つまりリアリティがなさすぎて、入り込めない。恋愛・日常モノのはずがイケメン・美女ばかりだとジャンルはファンタジーに移行する。
コース料理が全皿メインの肉だと胃もたれするのと同じ理屈で、メリハリがなく楽しめない。
邦画がゴミな理由2/製作委員会方式を解説
複数の会社が映画製作に出資し、利益を分配するシステムを製作委員会方式という。
映画の資金について、昔のように一つの会社による出資であれば、話はシンプルなのだが、製作委員会方式をとると、ひとつの映画が複数の会社の利害関係を生んでしまう。
あちこちから口出しやNGがわいてくるという露骨な事態は少ないようだが、キャスティングありきで脚本の制作に入る本末転倒な事態が多数発生しているのも事実だ。
キャストのあとに監督やスタッフが決まるのは、映画やドラマにおいてまずとんでもない異常事態だということをご理解いただきたい。
絶品料理を作れと言われて、そぐわない素材を適当に選ばれるシェフの心境に近いだろう。
よりビジネスライクになる製作委員会方式はアイドルキャスティングなどの根本的な原因である。
単一会社が出資する元のシンプルな形に戻せればよいのだが、日本映画業界は動かせるお金の規模が少ないので、出資する側のリスクが分散できるメリットが勝ち、現状を変えられないのだろう。
ゴミ脚本・ゴミシュチュエーションを徹底考察
使い古されたアイデア一発のゴミ脚本
「〇〇に行けば時間が戻る!」「あの日をもう一度繰り返せるとしたら」ありふれた設定に、説得力皆無の高校生をくっつける近年の邦画。
彼らが生み出しているものはアイデアではなく、予告編で聴こえがいいだけのゴミシュチュエーションだ。
もちろん、タイムトラベルやその他ぶっ飛びアイデアに、登場人物のキャラやストーリー・設定がついてこれば問題ない。
しかし、アイドルキャスティングの成果である素晴らしい演技力により、説得力は宇宙の彼方へと打ち上げられる。
テーマ性ゼロ
結局何が言いたいのか?わからない。映画に限らず物語にテーマを持たせるって一番大事なことじゃない?友情?恋愛?成長?何が言いたいの?
金を払っているとか偉そうなことは言いたくないが、なぜ鑑賞後に喉に変なつっかかりを感じなければならないのか?
テーマ性を軽視する製作過程に逆に興味が沸いてしまう。
非論理的なストーリー展開
邦画では、こんな理由でこんな行動はとらない!という感情論すら破綻した非論理的ストーリーが多い。
進撃の巨人で言えば、巨人は人の声に敏感だと言っているそばから、主人公が幼馴染を取られたショックで叫び出す。
観る側を完全にナメている。
ストーリー性をスポイル
脚本段階のミスに通じるが、近年多いのが、福田雄一監督の『新解釈三国志』や三木聡監督の『大怪獣のあとしまつ』のように、ギャグだけで押し切る邦画。
いわばコント映画で、ワンシーンワンシーンはギャグとしてそこそこ面白いとしても、それがメインになってストーリー性がそもそもない映画が出てきている。
ストーリーがないということはつまり、コメディ映画の範疇に入るかも微妙だ。
普通のコメディ映画は、物語性や登場人物の成長が描かれていて、感動と笑いの対比が魅力なのだが、『新解釈三国志』や『大怪獣のあとしまつ』は笑いオンリー。
それならテレビやYoutubeで本職の芸人さんのコント番組を見れば済む話だと思うのは私だけだろうか?
金を払って2時間、微妙なギャグをずっと観続けるのは正直精神的にキツイし、映画に期待しているものと根本的に違うのだ。
マンガやアニメの実写化がひどい!
マンガやアニメの実写化は、すでにみんなの頭でキャラや世界観が映像化されているので、物凄くハードルが高い。
しかし、話題性がありある程度の興行収入が見込めるので、ビジネスとして作ってしまう。
原作のファンがDVDなどを買ってくれるということもある。
るろ剣とか銀魂とかテルマエロマエとかはまだいい!!デビルマンとか、テラフォーマーズとかそもそも実写映像化が無理そうな作品はもうやめてくれ!なんなら土下座するから!僕の頭を踏みつけてくれてもいい!
マンガやアニメの実写化をする場合、多少なり元の世界観が崩れるのはしょうがない。だからこそ、どうにか面白い作品にしなければ原作のファンに申し訳が立たないはず。
しかし、職人魂を捨て、開き直ってアヘ顔になっているかのような作品が多い。
製作委員会方式のせいで、職人魂が発揮できる環境がないというのが理由かもしれないが。
批評家がまともに批評しない
TVに出るような映画の批評家や評論家で、まともに批評している人が少ない。
悪い作品について理由を挙げて批評するのも彼らの仕事のはずなのに、良いところしか言わない。
一般の人たちはそういった指標をもとに、良い作品に巡り合おうとしているのに。
理由は察しがいい人ならもう分かると思うが、TV局が映画製作に出資していることが多いため、関連する作品をこき下ろすと、その評論家も番組を降ろされるからである。
クソ邦画撲滅の提案と解決策
アイドルに演技を徹底的に仕込む
解決策は、アイドルに徹底的に演技を仕込むということ。必要ならコンサートも棒に振ろう!本末転倒といわれようが、そこまでやらにゃあ解決できない!
ちなみに韓国ではアイドルも演技をみっちり仕込まれ、下手だと国民からボロクソに言われる。
アイドル本人からしたらキツいだろうが、韓国ドラマや映画が世界的に評価を受けている下地はここにあるのかもしれない。
日本ラズベリー賞
日本ラズベリー賞を普及させたい!各映画雑誌が独自にやっているものがあるが、知名度が低いので一般まで浸透しない。
権威がある日本ラズベリー賞協会を作り、受賞作品はしっかり午後のワイドショーでネタにして主婦層に広めてもらおう!
雑誌『映画秘宝』では「HIHOはくさいアワード」というその年度で最低の映画を決めるものがある。とても素晴らしい企画で続けて欲しい!
ちなみに、2015年堂々の駄作1位はやはり『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』。
コンプライアンスを緩くする
右を向いても左を向いてもコンプライアンス。下品な表現はできない。勘違いするようなシーンは作れない。未成年に悪影響を及ぼすストーリーはNG!
すべて守ると毒にも薬にもならない駄作が生まれるのは当然。
コンプライアンスってもっとゆるゆるに出来ないもんかね?
人の本能に絡んだ醜さや罪も映画にすれば芸術になりうる可能性を秘めているのに。なんと勿体無いことか。
最近の邦画がゴミな理由まとめ
- アイドルキャスティング
- 製作委員会方式
- ゴミ脚本
- マンガやアニメの実写化
- 批評家が批評しない
などなど、邦画をつまらなくしている理由をお分かり頂けたと思う。すぐに変えることは難しいが、色んな方法で警鐘を鳴らさなければ、地球が終わるその日まで邦画の品質が落ち続けるという悲劇になりかねない。
一刻も早く、駄作のループから抜け出し、話題になるメジャーな新作邦画を毎回楽しみに観に行く!というよい流れを作りたい!全てが塵と化すその前に。