ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』がDisney+で配信開始!ということで、続三部作/シークエル・トリロジー(『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』『スカイウォーカーの夜明け』)を見直しました。
改めてディズニー傘下になってからの、続三部作/シークエル・トリロジーは好きな人には申し訳ないですけど、超ひどい出来だと思いました。
あまり言葉が悪くならないようジョークも交えながら「なぜ続三部作」が失敗なのかレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目からどうぞ)
シークエル・トリロジーについての視聴者・口コミアンケートも投票お願いします↓
続三部作/シークエル・トリロジーの全体的な感想
かなりの酷評になってしまいますが、極上の寿司に砂糖をぶっかけたような駄作だと思いました。
エピソード1〜エピソード6で絶妙なバランスの上に完成された神話が台無しにされたと感じたからです。
スターウォーズのオマージュ作品なら許されるでしょうが、これが正史となると…。
往年のファンが激怒して「エピソード8を正典から外せ!」と著名活動が起こるのも理解できます。
ディズニーの金で暗黒面に堕ちた子供向けスター・ウォーズ
札束でひっぱたかれたスター・ウォーズ
ルーカスフィルムがディズニーに買収され、スター・ウォーズという作品自体が暗黒面に堕ちたという印象が拭えません。
ストーリーの破綻は多くのファンが指摘していますが、個人的には子供向けの内容へと舵を切ったのが諸悪の根源だと思います。
ストーリーの推進力は限りなくゼロ。『フォースの覚醒』(2015)から『スカイウォーカーの夜明け』まで、なんとなくフワッと進行してる感がすごい。
そもそもリアリティラインがディズニーアニメ基準なんですよね。
10歳くらいの子供がみても話がわかるように作られたのでしょう。
SF設定が確立している『スターウォーズ』でリアリティライン・対象年齢を下げてどうなったか?
これまでの設定・伏線回収が重要視されず曖昧になり、映像だけみてればわかるような薄っぺらい物語に成り下がりました。
深く考えさせられる部分がないストーリーが神話になるわけありません。
あと細かいところでは、劇伴もスターウォーズっていうよりいかにもディズニー・アレンジという感じで、気分が上がりませんでした。
ご都合主義で緊張感ゼロ
戦いのシーンが基本的にぜんぶ筋書きありのプロレスに見えます。緊張感は限りなくゼロ。
例えば『フォースの覚醒』で、ミレニアム・ファルコンでモンスターが逃げ出すシーン。フィンはモンスターに捕まるものの、なぜかすぐに食われません。
あとはBB-8を隠さないでマズ・カナタのバーに入る意味がわかりませんでした。
案の定密告者がファーストオーダーに通報。
わざと敵に見つかるようにしたとしか考えられないです…。
このように、ちょっと真剣に見ると展開の不可解さ・間抜けさのオンパレード。
左脳のスイッチを切ってから視聴するように心がけました。
考察:ディズニー版スター・ウォーズの失敗理由(ネタバレ)
新キャラの魅力、皆無
『シスの復讐』(2005)以来の実写新作ということで、どんな新キャラが登場するかの期待は当然高まります。
しかし、申し訳ないですがほとんどのキャラが失敗していたように見えました。
両親に捨てられたレイ、ストーム・トルーパー軍から逃げ出したフィンなど、キャラの背景はひとくちで説明できるもの。背景が“生きて”おらずただの無機質な設定に感じられました。
幼い頃に厳しい辺境の惑星ジャクー1人残されたレイはどうやって生き延びたのか?(食糧の確保すら困難なはずです)
ストーム・トルーパーは洗脳されないのか?
などなど疑問が山のように浮かび上がってきます。
ただキャラの魅力についてはバックボーンの薄さよりも、個性でジョージ・ルーカス版に勝っているキャラがいないことが1番致命的だと感じました。
レイやフィン、カイロ・レンはハン・ソロのチャーミングな魅力に遠く及びません。
BB-8は、C-3POやR2-D2のバラシ芸人(補欠)にしか見えません。
ポロコレ・アジア人枠的に入れられたローズ・ティコも別に嫌いではないですが気にはなります。ディズニーが謳う多様性・ポリコレのために投入されたキャラにしか見えないからです。
ストーリー上、ローズというキャラの必然性がみえません。
ディズニーは『ウィッシュ Wish』(2023)もそうでしたけど、ポリコレ頑張りすぎてストーリーが崩壊しています。
ただローズが特別ダメなわけでなく、続三部作ではそんなキャラばかりだったと思います。(とにかく“出来の悪さ”矛先がローズに向かって俳優のケリー・マリー・トランは強烈なバッシングを受けてしまいました。)
個人的に新キャラで許せたのはポー・ダメロンくらい。
ただ彼についてもキャラ設定の良さというより、オスカー・アイザックの演技が面白かったから許容できたという印象です。
行動原理ボロボロ、ストーリー推進力ゼロ
みんな衝動的すぎて行動原理が破綻しているため、ストーリーの推進力まで大きく損なわれています。
この行動に至るまでの心情や他の選択肢など細やかな部分が無視されており、行動原理が破綻しているように見えないのが残念です。
不良少年にしか見えないカイロ・レン
カイロ・レンは、ダークサイドへ行ってしまったけどジェダイへの未練を立ち切れていない人物。
この甘い設定が、本当はいい奴だけど社会に反抗してしまうどこぞの不良少年にしか見えませんでした。
こんな中途半端な奴が帝国で受け入れられている時点でシリアスさが台無しです。
子育てが下手なジェダイの物語
ハッキリ言ってスター・ウォーズ続三部作は、ハン・ソロ家と叔父のルークがベン・ソロの子育てに失敗した話にしかみえません。
一家族の子育ての失敗が発端となり、銀河の危機が脅かされています。もはや滑稽です。
エピソード6で築いた平和があっさり崩壊
エピソード1〜3でアナキンが暗黒面に落ちるまでが描かれ、4〜6で壮大な親子対決が終わり銀河に平和が訪れました。
シークエルトリロジーの設定では英雄たちが命懸けの戦いで築いた平和があっさり崩壊して帝国優勢に。
なぜ帝国の勢力がこれほどまで強くなったのか詳しく描かれてないので、過去作の物語の重みまでなくなってしまった印象です。
旧作の焼き直し
敵の巨大基地をレジスタンスのパイロットが攻撃しつつ、ジェダイがシスと直接対決する。続三部作のプロットは全体的にエピソード1〜3とほとんど同じです。
新シリーズというより、ただ旧作を焼き直しただけに見えます。
フォースインフレ:レイとパルパティーンが強すぎ
3作目『スカイウォーカーの夜明け』の最後で、レイはパルパティーンの孫だとわかります。
レイはフォースで戦艦を止めたり、パルパティーンはフォースを稲妻のように使ってレジスタンスの戦闘機に広範囲なダメージを与えたり…。
最後のまとめ
続三部作/シークエル・トリロジー(『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』『スカイウォーカーの夜明け』)は、ファンが怒るのも無理のない設定・ストーリーだったと思います。
ディズニーに買収されてからスピンオフも乱発され、スターウォーズブランドが安売りされているようで残念です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。レビュー終わり!