2024年3月2日Netflixで配信開始の映画『スペースマン』。宇宙を単独飛行する男性が、エイリアンと会話しながら妻との関係について考える物語!
作品情報・キャスト
あらすじ・ネタバレなしの感想
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
視聴後の正直な感想・評価レビュー(ネタバレあり)
徹底考察:エイリアンの正体、ラスト結末の意味
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
これから視聴する方の参考になるよう、作品についての視聴者口コミ・アンケートも投票お願いします↓
Netflix映画『スペースマン』作品情報
制作国:アメリカ
上映時間:1時間48分
原題:『Spaceman』
ジャンル:SF・ヒューマンドラマ
年齢制限:16歳以上
監督:ヨハン・レンク
脚本:コルビー・デイ
原作:ヤロスラフ・カルファシュ「Spaceman of Bohemia」
映画『スペースマン』あらすじ
チェコ共和国の宇宙飛行士/ヤクブ・プロハースカ(アダム・サンドラー)は単独宇宙飛行189日目。
目的は数年前に突如宇宙に現れた紫色のチョプラ雲の探査とサンプルの採取だ。
地上とコンタクトは取っているものの、約半年も1人で過ごしており、ヤクブは孤独に苛まれていた。
最愛の妻・レンカ(キャリー・マリガン)ともなぜか連絡が取れない。
妊娠中のレンカは一緒にいられないことやいつも約束を破られることでヤクブとの関係に嫌気がさし、泣きながら別れると伝言を入れた。(しかし事務官たちがその伝言を差し止める。)
宇宙船はチョプラ雲に近づいていたが、ヤクブの精神状態は限界だった。
そんなとき、宇宙船の内部に巨大な蜘蛛・ハヌーシュがあらわれる。
いわゆるエイリアンであるハヌーシュは地球についてかねてから研究をしており、「ヤクブの心を救いたい」と言う。
驚いたヤクブは幻だと思い込もうとするが、2人の間に次第に友情が芽生えていく。
ハヌーシュはヤクブ自身の心の内面を見せ、レンカとの葛藤を克服するように促すのだった。
映画『スペースマン』キャスト
アダム・サンドラー|ヤクブ・プロハースカ役
チェコ共和国の宇宙飛行士。木星近くに突然現れたチョプラ雲を調べるために単独飛行している。
アダム・サンドラー出演作:『ウソツキは結婚のはじまり』『モンスターホテル』『HUSTLE/ハッスル』『マーダーミステリー2』
キャリー・マリガン|レンカ役
ヤクブの妻で妊婦。ヤクブとの関係
キャリー・マリガン 出演作:『ドライヴ』『プロミシング・ヤング・ウーマン』『マエストロ: その音楽と愛と』
ポール・ダノ(声)|ハヌーシュ役
宇宙船に突然あらわれた蜘蛛型のエイリアン。
出演作:『スイス・アーミーマン』『プリズナーズ』『オクジャ』『THE BATMAN』『フェイブルマンズ』
その他キャスト
クナル・ネイヤー|ピーター役
イザベラ・ロッセリーニ(『ブルー・ベルベット』)|チェコ・コネクト量子社の事務官
レナ・オリン|レンカの母役
マリアン・ロデン|ラディスラフ・プロハースカ役
映画『スペースマン』ネタバレなし感想・海外評価
アダム・サンドラーがエイリアンの蜘蛛と会話する話!?面白そうじゃん!と思いきや、哲学的で真面目な話が延々と繰り返されます。
宇宙にアンカーを置き、広い視点で夫婦の関係や人生を見つめ直す作品です。
ただ、刺激が強い映画を探している人には不向きでしょう。
海外評価はロッテントマトズが49%の支持率とイマイチな感じ。「繊細な演技が感動をもたらしてくれるが、設定にうまく回収されていない」というのがまとめでした。
おすすめ度 | 60% |
世界観 | 80% |
ストーリー | 75% |
IMDb(海外レビューサイト) | 5.8(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 49% 一般の視聴者 60% |
メタスコア(Metacritic) | 56(100点中) |
※以下、映画『スペースマン』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『スペースマン』ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
ハヌーシュはヤクブに過去のヴィジョンを見せ、「夫婦仲が悪化した原因はおまえが自分しか見ていないからだ」と諭す。
ヤクブは妻・レンカが流産したときなども宇宙飛行士の訓練にかまけてそばにいてあげられなかった。それはおおきな間違いだったと悟った。
ヤクブはレンカに「やり直せるなら次は間違えない、約束は守る」と電話した。
ヤクブはさらに少年期のことを思い出す。父は厳格な存在で、父との関係は今でも精神的な傷になっていた。父はチェコスロバキアで革命で死んだ。
チョプラ雲が近づく。ハヌーシュは「ゴロムペッドという小さな虫に侵食されてもうすぐ死ぬ」と言う。
チョプラ雲に入る。地上の連絡係・ピーターはヤクブに「任務を開始しろ」と言った。
ヤクブはハヌーシュの体が宇宙船の外に投げ出されたのを見る。
ヤクブは宇宙服を着て宇宙空間に出た。ガスの推進力でヤクブのところへ助けに行く。
ヤクブとハヌーシュはチョプラ雲の中で手を取り合った。
ハヌーシュは「チョプラ雲は始まりであり終わり。全ての時間や振動がチョプラ雲の中にある。チョプラ雲は永遠であり一瞬だ」と語り、虫に侵食されて消滅した。
ヤクブは自分が幼い頃に川で溺れて父に助けられたことを思い出す。父を許そうと思った。
ヤクブはチョプラ雲の中にはすべてがあっても、妻・レンカがいないと強く思う。
いっぽうレンカはヤクブの実家にきていた。そこから宇宙にいるヤクブの存在を感じる。
ヤクブは森でレンカ(オペラ・ルサルカの衣装を着ている)と初めて出会ったときのことを思い出した。
韓国の宇宙船に助けられたヤクブは、レンカに電話する。
映画『スペースマン』終わり
映画『スペースマン』ネタバレ感想・評価レビュー
アダム・サンドラー版の『2001年宇宙の旅』みたいなストーリーでしたね。(蜘蛛のハヌーシュがHAL9000かな。)
アダム・サンドラーが地球からはるか遠くの宇宙空間で孤独にさいなまれながら、妻との関係を見つめ直す物語。メッセージ自体はストレートでしたが、エイリアンの蜘蛛やチョプラ雲という宇宙の始まりと終わりを司る空間が舞台だったこともあり、壮大な雰囲気に浸ることができました。
宇宙飛行士のヤクブにとってチョプラ雲は人生をかけて追いかけた究極の目的です。しかし、そこに妻がいなければ意味がないと気づきます。
ただ偉そうに批評するなら、テンポがじっくりすぎると思いました。
トラブルは妻と連絡を取れないことだけ。ほとんどは葛藤するヤクブとエイリアンの対話です。なんか1つでもトラブルがあったほうがストーリーに起伏が出たと思います。
また、地上でヤクブをサポートするチームがほとんどモブみたいな扱いだったのがもったいない。ヤクブとの通信係のピーターの人間性にもう少しスポットが当たれば結果として人間関係に奥行きが出たと思います。
映画『スペースマン』考察ネタバレ
ラスト結末の意味:エイリアンの蜘蛛・ハヌーシュの正体
個人的にはエイリアンの蜘蛛・ハヌーシュは主人公・ヤクブの潜在意識が具現化したような存在だと思いました。
なぜヤクブがハヌーシュに固執していたのかが鍵になります。
宇宙船から飛び出してまで助けに行ってましたからね。
妻との絆に気づかせてくれたという理由もありますが、ハヌーシュは自分がこれまで無視してきた自分の気持ちそのものだからと解釈すると納得できます。
ハヌーシュが消滅したのは、ヤクブが自分の本当の気持ちに気がついたからでしょう。一体化したわけです。
つまりラスト結末の意味は、蜘蛛のハヌーシュを助ける=自分の心を救う→妻との絆を取り戻すです。
ルサルカの意味
ヤクブがはじめて妻のレンカにあったとき、彼女はルサルカの衣装をつけていました。(ヤクブが宇宙服を着ていたのは、訓練中に川に降下したなどの理由でしょう)
「ルサルカ」とはチェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークのオペラのこと。
すごく簡単にまとめると↓
- 水の精・ルサルカが人間の王子に恋をするが裏切られる
- 自分の罪に気づいた王子がルサルカを求め、一緒に水中に沈んでしまう
という悲劇のストーリーです。
『スペースマン』でいうと、ヤクブが王子、レンカがルサルカですね。
最後のまとめ
Netflix配信映画『スペースマン』は、アダム・サンドラーとキャリー・マリガンの哀愁漂う演技によって、広大な宇宙と夫婦関係を対比させた作品でした。
もう少しストーリーに起伏があれば尚良かったと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『スペースマン』レビュー終わり!
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