映画『インランドエンパイア』はストーリーがとても複雑だったので、あらすじを場面ごとに時系列で詳しく書いてみました。復習したい人におすすめ!
インランド・エンパイアでは、登場人物に名前も説明もない事が多いので、説明を円滑にするために呼び名をつけてます!
加えてあらすじで細部を説明しないと意味不明になるため、超長くなりました(笑)時間ある人だけ読んでください。
(インランドエンパイアの徹底考察記事はコチラ↓)
鬼才デヴィッドリンチ監督のインランド・エンパイアをまず1回観たのですが、内容やテーマがほとんど分からず、プライドがズタボロになり泣きました(笑)。 そこで2回目は全てのシーンやセリフをメモに取り、内容やストーリーを解き明かすことに成功[…]
映画『インランドエンパイア』ネタバレあらすじラスト解説
回るレコード。ポーランドのある部屋で顔にモザイクがかかる男性(ファントム)と娼婦(ロストガール)がとりとめのない会話をしている。
娼婦「ここはどこ?怖いわ!」
赤いスーツを被った裸の女性(ロストガール)がTV画面に映る映像を観て泣いている。ウサギの部屋や緑の服のおばあさんが映っていた。
部屋で会話をする3匹のウサギ、その度に笑う観客。部屋から出る紺色スーツのウサギ。
ポーランド人の男性が喋っている、「入口の意味をわかっているんですね」と片方の男性(ファントム)がしつこく聞く。暗転して紺色スーツのウサギがドアから出てきたシーンとダブる。
元大女優ニッキー(ローラ・ダーン)の元に、林の奥のレンガ家に住んでいる東欧訛りの緑の服のおばあさんがご近所になった挨拶に現れ、コーヒーを飲み交わす。
緑の服のおばあさんはニッキーは新しい映画に出演することになると言い、「旦那も役を演じる?」「男の子が外に遊びに出ようとした時、悪魔が分身として生まれ、ついてきた」「女の子が市場で迷子になり、普通は市場を通り抜けたりしないのに通り抜け、宮殿へ行こうとしたら道を忘れていた。」「私はどこにいたっけ」「新しい作品では惨たらしい殺人が起きる」「もし今日が明日なら、あなたはあそこに座っている(右奥のソファを指す)」などの意味不明な発言を並べ、ニッキーを不快にさせる。
【男は悪魔になる】【女の子が品定めされ(女優も娼婦も)そこから幸せになろうとしても鍵をなくしている】
次の日ニッキーは電話で主演が決まった事に仲間と歓喜するが、ニッキーの旦那は階段の上から不快そうな目でそれを見ていた。
スタッフとの顔合わせが終わり、相手役のデヴォン(ジャスティン・セロー)とTV番組に出るニッキー。
司会者は二人とも悪い事しちゃダメよというような発言をし、「スターは夢を作る、夢はスターを作る」という掛け声で番組が終わる。
映画のタイトルは「ON HIGH IN BLUE TOMORROWS」で、役はスミシー=スー(ニッキー)ビリー(デヴォン)。
撮影用の大倉庫STAGE4にニッキー、デヴォン、キングスリー(ジェレミー・アイアンズ)(監督)、フレディ(ハリー・ディーン・スタントン)(助監督)が集まり、台本の読み合わせをしていると、フレディがまだ完成していないセットの奥に人の気配を感じ、デヴォンが確かめに行く。
結局誰も見つからなかった。監督は主演の2人に、フレディが得た情報によるとこの作品はポーランドの脚本のリメイクで、ポーランドのジプシー民謡が元になっている。ポーランドでの撮影では主役の2人が殺され、撮影も途中で終わっているいわくつきの脚本だと伝えた。
ドイツ語の原題は「4−7」。
ニッキーの家に、旦那がポーランドの老夫婦を連れてきてニッキーに紹介。
取り調べ室では半ズボンの女性が「バーであった男(ファントム)の催眠術にかかって人を殺します。ドライバーで」と供述すると、女性の腹部にドライバーが刺さっていた。
日の当たる庭園でスーとビリーの会話シーンを撮影、待ち時間に助監督のフレディは二人に、「犬が好きだが昔はウサギを飼っていた。今とても困っている」と言って金をせびった。
監督によると90歳の姪がスミシー役に興味津々で、誰がスミシー役なの?としきりに聞いてくるとのこと。
ニッキーは夕食にデヴォンを招待するが、旦那がデヴォンを2階に連れ「後ろめたいかね?妻はフリーじゃない」と脅しデヴォンは困惑。
使えない照明係バッキーのせいで、撮影が中断する。
ビリーが自宅でスーを口説くシーン。ビリーの「一杯だけ」「夕食もどう」というセリフに対するスーのセリフは「奥さんと子供は留守」 しかし照明がアウトになっておらず、撮り直しに。
待ち時間にデヴォンはニッキーを食事に誘う、ニッキーは「イタリアレストラン知ってるでしょ?」と言い、デヴォンは「知ってるけど、じゃあそこにするか」というやり取りだった。
撮影中「私たちの関係がバレた。夫は殺す気よ」というセリフの後「これ脚本のセリフと同じだわ」と言い、周囲を困惑させるニッキー。役と現実の区別がつかなくなっていた。
デヴォンは脚本の呪いではないか?とビビるが、スタッフにハリウッドに噂はつきものだとなだめられる。
ニッキーとデヴォンはベッド(ブルーの照明)でイチャついていた。ニッキーは「昨日あったことだけど明日なのよ!昨日撮ったあなたの車を路地裏に停め、買い物をするシーン」「私よ!ニッキーよ!デヴォン!」と意味不明な発言をする。【頭の妄想では昨日撮ったシーンだけど、実際には明日その役が決まって起こる事。】
スー(緑の服)は買い物をして路地裏の車に向かって歩く、向かい側の建物のドアに「Axx°N N→」という表記があり、そのドアから中に入ると、撮影現場で打ち合わせをしている4人が見える。
デヴォンがこっちに向かってくる。セットの奥から緑の服を着た旦那がスーを睨み、逃げるスー。1358のドアへ駆け込むとそこはスーの家だった。
ビリー(デヴォンが)家の窓から覗き込む。スーはビリーと叫ぶがビリーには聞こえていない。奥の左側の部屋(ドアの正面に赤ランプとベットサイドに2つのランプ)へ行くとそこには旦那がいる。
赤い部屋へ入って悲しんでいると光が強くなり。スーとビリーの庭園のシーンがフラッシュバック。
今度はブルー色の電球が光り、部屋に娼婦たちが現れる。娼婦はスーとビリーの関係について質問したり責めていて、スーは泣く。
娼婦の一人が「今に夢見るわ!目を開けながら、目を覚ますと見慣れた人が」と言い、スーは両手で顔を覆う。
両手を開くとそこはポーランドの街頭で、娼婦も2人いる。
娼婦が「ミステリーはこの先よ」というとレコードのシーンになり、ロストガールがレコード越しにポーランドでの娼婦とスーの会話を観ている。
娼婦は「腕時計をはめ、タバコに火をつけシルクに押し当てその穴をじっと覗け」という。
スーは【青い服ニッキー】で目覚めると、意識は娼婦の暗転した部屋だが、窓からはポーランドの景色が見え、向かい建物の暗い入り口が見える。青いベッドで寝ているニッキー。
卵をかき混ぜ朝ごはんを作るスー。しかし子供を失っていたことに気づき、うずくまって悲しむ。買い物袋を持って家に入ってくるスー。奥の部屋から出てくる旦那。
【ドアはファントムの金色ドアと一緒】金色の時計(緑の文字盤)をはめ、タバコでシルクに穴(街灯になる)を開けると時計は逆回転し、中を覗く。
ポーランドでロストガールがファントムと言い争い、白い服の女が男に「子供は渡さない」と言っていた。【浮気したのはファントムの奥さんのロストガールと、白い服の女の夫】、白い服女の夫は街を歩いていると時間を聞かれ、9:45と答えた。
迷子の女がウサギたちの部屋の映像を観ると、紺色スーツのウサギは、別のハンマーが置かれているテーブルがある部屋に入り座る。
赤いドレスの女性が手招きし、ドライバーを持ったスーが階段を登っていく。部屋に入るとメガネの男性が座っており、スーは昔知っていた男の話をする。スーは「15歳の時、レイプしようとした男性の片目に指を突っ込み、タマを握りつぶした。」と言った。
緑の四角いランプの部屋から出てくるスー。自分のタバコとシルクを見つけ、娼婦たちは「運命の人とは終わった」「他を探しなさい」「腰を振って」と笑い、ロコモーションという曲で踊り出す。画面から見て右の娼婦は何故か右手に包帯。
鳥の絵がある少しボロい家で食事をしながら旦那に妊娠したことを告げるスー。旦那はショックだという酷い言葉を浴びせる。
娼婦たちが3拍子で踊る。
夜中にこっそり起きてビリーに電話するスー。電話はウサギの部屋に繋がり紺色スーツのウサギが受話器をとる。受話器から「ビリー!」というスーの声が聞こえ、ウサギ部屋を見ている観客爆笑。それはシルクの中であった。
メガネの男性の部屋で話を続けるスー、「バール(飲食店)で襲われた。それを見られて旦那に浮気していると思われた。
家に帰ると薄明かりで旦那が待っていて、バール(工具)を投げて壁がめちゃめちゃ。タマを蹴り上げると男は倒れたという。
メガネの男性が浮気したのか聞くと、スーはタダ酒飲めるから浮気はしていたと述べる。
スーは「空気の汚いところで変な夢や幻覚見たりしていて、ある時女の子が何かをジッと見つめて火と雨と煙の世界の終わりが見えたと語った」という変な話をはじめる。
スーは庭にいて、笑っている娼婦たち2人に、「私を見て!見たことあるなら言って!」と話しかける。
旦那が庭でバーベキューの準備をしていると、トマトケチャップをお腹にこぼした。スーはその赤色の背景に迷子の女が「邪悪な夢を追い払って」と言っている黒服の迷子の女をみる。
ドライバーを持った女性が、叫びながらそれを落とす。近くには緑の窓が見える。娼婦が「誰?その女」ドライバーを持っていた女性は脇腹を刺されている。
ポーランドの街頭で迷子の女とファントムがすれ違う、二人は夫婦なので、家以外で夜会うのは珍しいという話をし、ファントムは「殺人事件があった。殺されたのは君の知り合いだ。前に一緒にいるのを見た事があるから」と言い、迷子の女は青ざめる。
【ファントムは迷子の女の浮気相手の男性を殺した】
スーの庭でのバーベキューに見知らぬ団体が押しかける。団員の一人が旦那に3時の約束だったよな?と確認する。
スーは不振に思って旦那に聞くと「東欧の巡回サーカス団で俺も動物の扱いが上手いんだ」と言われ、その団体に入るような事をほのめかす。
メガネの男の相談部屋で、スーは「あいつ(旦那)もサーカス団と東欧に行ったわ」と話し、「サーカス団がバーで暴れてらしいけど、ファントムという男だけは警察署から逃げた」「ファントムは元マリーンで、足の不自由な妹がいて、1年で子供を3人殺した」と続けた。
スーがシルクの穴を除くと娼婦たちが見える。車でビリーの豪邸へ行くと、ビリーの奥さん(ドライバー女)と子供、子供の医者が広間で喋っていた。
スーがビリーに愛してるかどうか尋ねると、ビリーが「スーザン」と言ってたしなめ関係をとぼける。
スーは「大切なものなの」と叫ぶと、ドライバー女は一瞬ファントムに命令された映像や殺された映像をみた。それから奥さんであるドライバー女はスーの顔を何度も平手打ちした。
冒頭部屋でファントムと喋っていた老人とスーの旦那、運転手はでかい男という3名で林の奥のあばら家につく。いたのはサーカス団員のウーリだけで、ファントムやみんなは、インランド・エンパイアがどうのこうの言ってどこかに行ってしまったらしい。
スーは自分が暗く曲がりくねった小道を走り叫ぶのをみる。
左腕に怪我をして、スーの金時計を付けた女性(メアリー・スティーンバージェン)が家に入ってきて、「未払いの請求書を払ってもらうために来た。ここに住む男性を知っていますか?隣に住む男性を知っていますか?隣の人の名前はクリンプ」という変な話をする。
スーが隣を訪ねると、電球を加えたファントムが木の陰から出てきた。ランプが赤く光り、失望する映像が浮かぶ。スーは護身のために側にあったドライバーを持ち、走り去った。
ポーランドでスーが見た暗い入口の奥では、3名の老人(男)と女性が1名テーブルを囲んでいた。そこに訳もわからず連れてこられたのはスーの旦那であり、座っている男性によると女性が旦那を呼んだらしい。
しかし、旦那からその女性は見えず、声だけは聞こえ、女性は「ここはどこ?」と囁いていた。男の一人が「あれは赤だった」と言い、旦那は女性が言っている人物(ファントム)が雇い主だと述べると、拳銃を託され、急げと言われる。
その部屋の3名の老人たちからそのままウサギの部屋に切り替わり、ウサギたちは、「いつかわかる」「赤だった」「緑のコートだった」「時間を告げるものと関係があった」と意味不明な言葉を発する。
雨と雷の中で椅子に座るスー。部屋で白いローブを着るスー。娼婦たちが踊る。叫ぶスー。スーはハリウッドのストリートに立っていた。笑って「ハロー!」という娼婦たち。スーは「わたしは娼婦、わたしはイカれた女、わたしはどこにいるの?と混乱する。
すると道の反対側に半ズボンのドライバー女が。ドライバーを持ってストリートを歩くスー。右の壁には「Axx°n N→」の文字、反対側の道路には娼婦と笑う自分の姿が。
ドライバー女が道を渡ってきたのでスーは恐怖を感じ逃げる。笑い狂う娼婦、場面はポーランドへ、迷子の女も娼婦の格好で街頭に立っていた。迷子の女は「私を見て!見たことあるなら言って!」と話しかけている。【スーと同じセリフ】
場面は再びハリウッドのストリートへ、ドライバー女から逃げるため、劇場に駆け込むスー。劇場で情熱的な踊り子を見た後、赤いドレスの女に奥に連れていかれる。
赤ドレス女は『EXIT』と書かれた扉がシャッターで閉まっている事を示唆し、カーテンの奥へスーを見送る。ドライバーを持って相談室に入るスー。
スーがメガネの男に聞かせた話は、どっちが先かあとかわからない。夫が何か隠していて外国語を使っていた。殴られて「俺は父親にはなれない」と言われたという事だった。
スーは「ある朝目覚め、昨日のことがわかった。明日の事は考えたくない。今日は過ぎて行く。息子を失ったので生きる気力を失った」と続けた。
スーの手にはLBと書いてある。電話が鳴り男性がとる「彼女はまだいます。もうそろそろかと、彼はきっと近くにいる。私が街へいきます」と喋っていた。スーは相談室を出て階段を降り劇場からでる。
道路の反対側のドライバー女を恐れるスー。そしてスーはいきなり娼婦たちに向かってスクラッチ(指パッチン)を鳴らす。ドライバー女が向かってきてスーからドライバーを取り上げて脇腹を刺した。
スーは歩いて行き着いたシャッターの前で倒れる。そこにはアフリカ系の女性と日本人女性とアフリカ系男性のカップルがいた。倒れるスーを胃に介さず、アフリカ系女性と日本人女性は会話を始める。
アフリカ系女性はポモーナにいきたいといい、日本人女性は「ポモーナには去年の夏に行った。ミコという友人の家に滞在した。ミコは金髪のウィッグをかぶると可愛いが、ドラッグや売春をやっていて、アソコに穴が開いてそれが腸まで達している。ミコのうちにはペットの猿がいて、猿がウンチをそこら中にしてもミコは平気。動物の扱いが上手い人っているから」という気色悪い話をする。
スーが血を大量に吐くと、アフリカ系女性は「心配ないよ。永遠に火で照らしてあげる。暗い明日はこない」といいライターでスーの顔を照らす。まもなくスーが死に、ライターも消える。
カット!が入り、アフリカ系女性とカップルは立ち上がる。アフリカ系男性は「現像に回せ」と発言。
ニッキーはフラフラ歩く、監督がラストの演技を終えたニッキーを褒めちぎるが、ニッキーはそのままフラフラ外に出る。
ニッキーの視線の先では迷子の女が画面越しに泣いていた。ニッキーは赤いカーテンの方向へ行くと映画館があり、大画面でスーが相談室で息子を亡くしたと発言したシーンが映っていた。
「彼は近くにいますよ。」という声が聞こえ、右側からメガネの男が出てきた。スタッフが着せてくれた青い上着を脱いで、階段を上がるスー。
青い光から抜けると、12:10を指した時計があった。右側のAxx°N N→という扉を開けると、スーの家に入り、ランプがある緑の部屋を開けると拳銃が。拳銃を持ち、緑の明かりが見える奥の通路へ向かうと、右側の扉に「47」と書かれていることに気がつく。
奥から金ノブのドアを開けて近づいてきたファントムにバッタリ出くわし、スーは銃を撃つが、ファントムは口を開けて笑う。2発、3発と銃弾を浴びせると、ファントムの顔がピエロになり、さらに悪魔の形相に変形し、口から血が流れる。
ウサギの部屋のドアが開き光る。47の扉に後ずさりながら入るとそこはウサギの部屋と同じ作りだったが、ウサギはいなかった。
正面にはカメラからなのか?青い眩しい映像が見える。迷子の女はその映像を目を輝かせながら見ている。
2人の娼婦が嬉しそうに廊下を走るのが画面に映る。それはすぐ側で行われているように感じ、迷子の女自身も映像の中にいることに気がつく。
右の扉からスーが現れた。二人はキスをすると、スーは消えた。何かを思い出したかのように205号室から飛び出す迷子の女。相談室につながる階段の下にはスーの家があり、旦那と子供がおり、3名は熱い抱擁を交わす。
迷子の女の再開をウサギの部屋から見て泣くニッキー。サーカスの女性なども背景に映り込む。
場面はニッキーの家で東欧訛りのおばあさんがいるシーンへ切り替わる。おばあさんの瞳やイヤリングは緑色だった。
ニッキーが右を向くと、青い服を着たニッキーが微笑んで座っている。
ファントムの義足の妹、ミコとさる、娼婦たち、気をノコギリで切る人、ピアニストなどが現れ、アフリカ系女性の力強い曲がエンドロール中に流れます。
- サスペンス
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