『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開がされたので、前3作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序・破・Q』のストーリーを完全ネタバレで一挙に解説。
あらすじを復習したい方はどうぞ。
『シン・エヴァ』の展開予想もしてみました。
序・破・Q各ストーリーごとに旧エヴァとの大まかな相違点も書いてるよ!
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序/あらすじ完全ネタバレ解説
1:シンジが初号機のパイロットに
セカンドインパクトから15年。第4の使徒が現れて街を破壊。碇シンジは葛城ミサトに連れられ、国連の特務機関NERV(ネルフ)へ。父・ゲンドウの命令でエヴァの初号機に乗り使徒と戦うが、機体は損傷して意識不明。エヴァは暴走し、使徒を破壊した。
シンジは第3新東京市のミサトの家に住み、そこから学校に通いつつエヴァの訓練を続ける。
第5の使徒が現れ、恐怖と戦いながらエヴァに乗った。外にいた同級生を機体内に入れ、ミサトの命令を無視してナイフで第5の使徒を撃破。ミサトに説教されてふてくされた。
2:ヤシマ作戦
第6の使徒が現れ、広範囲レーザーでシンジは戦闘不能に。ミサトは日本中の電力をかき集めて陽電子砲を撃つヤシマ作戦の指揮をとる。恐怖やトラウマと戦うシンジにネルフ施設地下に捕らえられている第2の使徒・リリスを見せ、使徒がエヴァを倒して施設内に侵入した場合、自爆するようになっていると語った。
シンジは再びエヴァに乗る決意をする。陽電子砲を第6の使徒に向かって撃つが、わずかに外して大ピンチ。綾波レイが零号機で、敵のレーザーから初号機を守る。シンジは電子砲で使徒のコア(核)を貫いて勝利した。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』完 →破へつづく
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序の感想・考察
『序』は、旧アニメ版エヴァをコンパクトかつキレイにまとめた感じ。セリフや構図も同じものが多い。
一方で、
- 海が『旧劇場版Air/まごころを君に』の状態と同じ赤色
- ネルフ本部の自爆設定
- 渚カヲルがもう月で目覚めちゃった
などアニメ版との大きな相違点もある。
全体的には映像のクオリティが高くて、エヴァや使徒、建物の造形に至るまで凝っているので、もはやアート作品という感想。
いろいろ解釈しても、何も考えなくても楽しめる素晴らしい映画だ。
非日常的なエヴァやネルフと、学校や綾波が住むオンボロ団地の対比がとても印象的。この対比が視聴者に非現実的な感覚をもたらすのだろう。
学校・エヴァでの戦い・シンジの悩みを描くシンプルな構造で、映画全体がシンジの心象風景とイコールになっている。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破/あらすじネタバレ
あらすじネタバレ
1:マリとアスカの登場
北極のネルフ基地・ベタニアベースで、第3の使徒が封印から目覚め、真希波・マリ・イラストリアスが乗った五号機が倒すが、五号機も自爆。マリは脱出した。
式波・アスカ・ラングレーと2号機が日本にやってきて、第7使徒をかるがると撃破。シンジや綾波に憎まれ口を叩いた。アスカは、シンジと一緒にミサト宅で暮らすと知って驚く。
2:綾波の変化
第8使徒がネルフ本部を目標として、隕石のように落下してくる。ミサトの指揮のもと、初号機・零号機・2号機で向かう。シンジと綾波が体を張って使徒の落下と猛攻を食い止め、アスカが2号機でトドメを刺し、友情が芽生えはじめる。
シンジを好きになっている綾波は、ゲンドウと彼の仲をとり持とうと食事会を計画。
3:三号機の暴走
アスカが代わりに3号機のテストをするが、機体は使徒になって暴走。初号機に乗ったシンジが向かうが、アスカの乗る3号機を攻撃できず倒される。
ゲンドウの命令でダミーシステムが起動し、初号機は暴走して3号機を破壊。そしてむさぼり食った。エヴァ3号機は第9使徒として廃棄される。
アスカは瀕死の重傷を負い、シンジは怒りをぶちまけてネルフをあとにする。
4:初号機覚醒とサードインパクト
第10使徒が現れ、2号機に乗ったマリが攻撃するが歯が立たない。零号機がミサイルを持って突っ込むが、使徒に取り込まれてしまう。
シンジは意を決して初号機に乗り込み、零号機を取り込んで変形した使徒に向かっていく。動力がOFFになりピンチになるが、綾波を助けたい願いから疑似シン化第1覚醒形態へ変化を遂げ、シンジは綾波を救出する。
初号機の覚醒は続き、サードインパクトが始まろうとしている。
そんな中、渚カヲルがマーク6に乗り込こんでやってきて、初号機を槍でぶっ刺して覚醒を止めた。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 完→Qへつづく
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の感想と考察
旧アニメ版と内容が全然変わっている。
- 真希波・マリ・イラストリアスというキャラが初登場!
- アスカの名前が、惣流(そうりゅう)から式波(しきなみ)へ
- トウジはパイロットにならず3号機に乗ったのがアスカ
- 初号機がもうサードインパクト?
- カヲルがマーク6に乗って到来
などなど、大きなシナリオの変化があった。
個人的には『破』の内容の方が旧アニメより好き。
ラストのシンジが綾波を助けるところは実際には何が起こっているか不明のまま、シンジと綾波と彼らの内面だけが描かれる。抽象的なシーンだけど見応えがすごかった。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q/あらすじネタバレ解説
あらすじネタバレ
1:サードインパクトから14年後の世界
サードインパクトから14年が経過(カヲルがサードインパクトを阻止したが、結局起こった)。
NERV(ネルフ)と敵対する組織・ヴィレは、アスカの乗る改2号機とマリの乗る8号機で、ネルフが衛生軌道上に封印した初号機を回収しようとマーク4Aと戦っていた。アスカはコード4Bから攻撃されピンチに陥るが、とつじょ初号機が紫の光線を放ち、敵を撃破。
シンジはヴィレの大戦艦・ヴンダーで目覚める。しかし首に起爆するDSSチョーカーをつけられ、ミサトから「もうエヴァに乗るな。何もしないで」と冷たく扱われた。綾波は発見されなかったらしい。
2:荒廃したネルフ本部でカヲルと仲良し
海上で光の巨大な柱が襲ってくる。ミサトの指揮のもと戦艦・ヴンダーはなんとかこれを撃退。しかし綾波が乗るネルフのマーク9(零号機に似たやつ)が襲ってきた。
シンジはマーク9に乗り込んでネルフ本部へ。ゲンドウはいるが、施設はほとんど廃墟と化していた。ときがきたらカヲルと13号機に乗れと言われたが、特にすることはない。
綾波は以前のような感情を持っておらず、命令にしか従わない。シンジはネルフの副司令官・冬月コウゾウから、綾波がシンジの母・ユイのクローンで零号機の制御システムにすぎないと聞かされて驚く。
シンジはカヲルとピアノを連弾して友達になる。そして彼から、自分が乗った初号機がニアサードインパクトを起こした証拠として、荒廃した第3新東京を見せられて愕然とした。
3:セントラルドグマへ
カヲルは、ロンギヌスとカシウスの槍で世界が修復できるとシンジを説得。シンジのDSSチョーカーを自分の首に付けた。
2人は13号機に乗り、ニアサードインパクトが起こったセントラルドグマ最深部へ到達。使徒リリスやマーク6に刺さっている槍を発見したが、カヲルは嫌な予感がすると動こうとしない。
アスカとマリが乗る、改2号機と8号機から攻撃を受ける。シンジはそれらを弾き飛ばし、2本の槍を抜く。リリスは血となって消滅し、マーク6は第12の使徒となるが初号機にコアを破壊された。
4:フォースインパクト発動
第1の使徒だったカヲルは第13の使徒となり13号機は覚醒。フォースインパクトが始まろうとしていた。カヲルは2つの槍を13号機に突き刺し機体は落下。
マーク9がヴンダーを乗っ取ろうとする。アスカが改造2号機を自爆させてマーク9を破壊し、脱出した。
チョーカーが爆発し、カヲルはシンジの目の前で死亡した。
マリが乗る8号機が13号機を破壊し、フォースインパクトの儀式は止まった。
アスカは、初号機に乗っていたシンジを助けて手を引き歩く。綾波もついてきた。
新劇場版:Q 完→シン・エヴァンゲリオン劇場版へつづく
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』感想と評価
個人的には、序破QだとQが一番好き。カヲルとシンジが廃墟を歩き都市の終焉を見つめるシーンが素晴らしかったし、いきなりピアノ連弾を始めるシーンは唐突で最高だった。展開がとにかくぶっ飛んでいる。
最後に結局、アスカやレイと砂漠を歩くシーンも素敵。
アート作品という側面がますます強くなり、ストーリーはシンプル。
簡単にいえば「やらかしたシンジがまたやらかす」内容だ。
好き嫌いはハッキリ分かれるだろう。
細かい説明が少なく用語もたくさん出てくるので、意味不明な点も多かった。
まず『破』のサードインパクトはカヲルに止められて未遂で終わり、それをニアサードインパクトというらしいのだが、結局サードインパクトが起こっているらしい。
カヲルが止められなかったのか?それとも後日サードインパクトが起こったのか不明。とりあえず世界はほぼ破滅しています。
序・破・Qのループと世界ラインを考察
上の図を見てもらうとわかる通り、アニメ・旧劇の流れから人類史がループして、すでに海が赤くなっている『序』のラインに行く。
そして『破』で真希波マリが現れたこともあり、サードインパクトが防がれてエヴァの地獄のループから抜け出して『Q』のラインへ行き、そこからシン・エヴァの世界へとつながるというわけだ。
もしサードインパクトが起こっていたら、また人類史がループしてシンジがエヴァに乗る物語が始まってしまっていたことだろう。
完結編の結末予想と答え合わせ!
※シン・エヴァ視聴前の考察の答え合わせをしていきます。
推測になるが4部作の完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、初号機が大戦艦・ヴンダーに動力として取り込まれていることがポイントになると思う。(→当たってた。)
『Air/まごころを、君に』の結末が、人類補完を拒否して母・ユイを乗り越える感じだったと考えると、今回はシンジが初号機と戦う、つまり母と戦う物語になる気がする。旧劇場版の母と一緒に戦う物語からの脱却である。(→シンジは父ゲンドウと戦うのでハズレ)
ヴンダーには保護者であり恩人のミサトも乗っているし、テーマ的には「お前ら大人を駆逐して乗り越えてやる!」みたいな過激なものになるのではないか、と予想(→ハズレ)。
別のカヲルが登場!(→当たり?)。
人類補完計画の内容が変わる(単一生命化じゃない)!などもありそう(→△人類補完計画がより具体的になっていた)。
そんなに当たってなかった…。
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