Netflix『エンド・オブ・ロード』(End of the Road) L.A.からテキサスへ車で向かう黒人一家がある事件を目撃したことで予想外のトラブルに巻き込まれていくロードムービー。
作品情報・あらすじ、ぶっちゃけ感想・評価、タイトルの意味やメッセージ考察を知りたい人向けに徹底レビューしていきます!
(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。お好きな項目から読んでください)
Netflix映画『エンド・オブ・ロード』作品情報・キャストと演技の印象
原題:『Netflix『エンド・オブ・ロード』』
ジャンル:サスペンス・アクション
監督:ミリセント・シェルトン
脚本:クリストファー・J・ムーア/デヴィッド・ロッカリー
キャスト:クイーン・ラティファ、リュダクリス
あらすじ・海外評価(ネタバレなし)
あらすじ:夫ジェイクに病気で先立たれたブレンダは貯金が底をついたことで今のロサンゼルスの家からテキサスへ引っ越すことに。引っ越すのが嫌でたまらない娘ケリーと息子キャム、そしてマリファナを吸う不真面目な弟レジーを乗せ、テキサスへの長い道乗りを進む。しかし、夜に泊まったモーテルで朝方に隣の部屋から銃声が聞こえる。ブレンダは撃たれた男性を助けようとするが、男性はそのまま死亡。ブレンダたちは警察に証言して先へ進むが、最悪な悲劇に巻き込まれていくのだった…。
内容の難しくない王道サスペンス。アメリカの広大な風景など映像も綺麗で見やすいです。
ただ、凝ったストーリーが好きな人には向かないと思います。
おすすめ度 | 60% |
差別反対メッセージ | 80% |
ストーリー | 75% |
IMDb(海外レビューサイト) | 4.7(10点中) |
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) | 批評家 30% 一般の視聴者 19% |
メタスコア(Metacritic) | 50点(100点中) |
※以下、『エンド・オブ・ロード』のストーリーネタバレありなので注意してください!
映画『エンド・オブ・ロード』ネタバレ感想・評価
今作ももれなくネトフリ薄味サスペンスでしたが、薄味の中では内容がまとまっているほうではありました。
意外性があって良かったのはラストくらいでしょうか。叔父・レジーが結局金をバッグから盗っていたラストシーンは笑えました。全然学んでないですコイツ(笑)。
しかしサスペンスとしては全体的に意外性のある展開が少なくて残念。
個人的にサスペンス系の作品をよく見るので、ハマーズ警部が悪者のクロスだと言うこともなんとなく読めてしまいました。
ハマーズ警部は優しそうな表情でモーテルでの殺人事件について深く聞こうとせず、ちゃんと演出で悪役じゃないっぽいミスリードをしていたのは良かったです。
ただ、「この地域にはクロスという謎の極悪人が仕切っていて、主人公たちは逃げている」というプロットだと、「すでに登場した人物がクロスだった!」という方が面白くなるので、ハマーズ警部がクロスだと読めてしまいます。
だって主人公ブレンダの家族以外にスポットが当たっているのはハマーズ警部しかいないのですから…。他に選択肢がありません。
サスペンス好きを騙すためにこの流れでハマーズ警部が黒幕じゃないというひねりのある展開だったら良かったと思いますが…。
話は変わって、悪者だったハマーズ夫婦、おじいちゃんおばあちゃんと乱闘するシーンは笑えましたね。
最後にブレンダが発煙筒をハマーズ警部の車に投げ入れ、ハマーズが散弾銃を誤射して助手席にいるおばあさん(奥さん)の顔面がブチ抜かれ、車で木に突っ込むシーンは良かったです。
考察/エンド・オブ・ロードの意味
英題 End of the roadは袋小路という意味で、悪人クロスの金を盗んで最悪の状況に陥ったブレンダたちの状況を表しています。
ただ映画が展開していくなかで、この意味がだんだん変化していくのが興味深いです。
今作でのメインの対立構図は、黒人家族 VS 保守的な白人たちという比較的わかりやすいものでした。
クロスことハマーズ警部も白人でしたし。姉のケリーの態度に怒ったのも白人の若者2人。ブレンダが隠した金を奪った少女が逃げ込んだ場所も白人集落でした。
ここからタイトル『エンド・オブ・ロード』の他の意味が見えてきます。
ブレンダたち黒人家族が白人たちに勝利するストーリーは、黒人が差別され逃げ回るのはもう終わりというメッセージだと思います。
ロードムービーであり、道と歴史が重なっているわけです。
途中でWrong Way(間違った道)という標識が出てきて、その地点からブレンダたちに悲劇が続くわけですが、このWrong Wayは白人が黒人を差別してきた歴史そのものだとも捉えられます。
ブレンダは「アフリカに帰れ!」という酷い言葉を浴びせられていました。
アメリカの黒人はアフリカから連れてこられた人の子孫が多いことを加味すると、奴隷時代から続く差別の終焉を『エンド・オブ・ロード』と表現しているという広い視点での解釈もできるでしょう。
『エンド・オブ・ロード』レビュー終わり!
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