ネタバレ考察『プラットフォーム2』意味不明なラストを解説,ミハルや前作とのつながり

  • 2024年10月9日

映画『プラットフォーム2』ネタバレ・ラスト結末まで解説

プレンプアンという女性と太った男・ザミアティンが同室になる。2人は24層(24階)だった。2人は穴に初めてやってきた新人だ。プレンプアンはカミソリを、ザミアティンはライターを持ってきていた。

上の階にはロベスピエールという男がいた。彼はかつて穴にいたマスター(救世主、郷士、イルタゴ)の教えを忠実に守るロイヤリスト(連帯感革命家)だった。マスターは1カ月最下層で生き延び、そのあとは下層階の人々に自分の太ももの肉をあげて生き延びさせたという。そのときに肉を食べた忠実な信者を油注がれし者という。

ロベスピエールはロイヤリストの教えとしてプレンプアンたちに「台に乗ってきた料理の中で、面談(面接官はイモギリ)で自分が好物だと申告したものだけを食べるように」と言った。みんなが自分の料理だけ食べれば下層階まで飢えることはないはずだ。

しかしザミアティンのピザは表面だけ食べられた状態だった。ロベスピエールはロイヤリストの仲間達とともにピザを食べたバーバリアン(規律を守らない者)を罰することに。しかし逆に仲間の1人がやられてしまい落下。最下層333階の下では落下してバラバラになった人間の死体を喰う獣のような人々がいた

ロベスピエールはバーバリアンの男を捕まえ、さらに下に降りて油注がれし者に罰してもらうと降りていく。さらに「昨日死んだ人間の食事は余っているが食べずに捨てろ」と言った。それがルールなのだ。

ザミアティンはそのルールを破って少しつまみ食いをしてしまった。

ロイヤリストから発表があり、今月は175層まで料理が届いたという。

ザミアティンは純粋数学を探究していたが、1の平方根が虚数(物理的に存在しない値)になることが受け入れられず、大学の職も家族も捨てたとプレンプアンに告白する。

プレンプアンとザミアティンの間に信頼が生まれる。しかし翌月に目覚めると180層にいた。2人はしばらくの間飢えに耐える。しかし、精神的にも肉体的にも追い詰められたザミアティンは自分が死んだ仲間の料理を食べたことを苦にして焼身自殺し、落下していく

翌月、プレンプアンは51層にいた。51層には片腕の女がいた。すっかりロイヤリストの教えを信仰するようになったプレンプアンは、ルールを破って勝手に他の人の食料を食べた男を罰しにいく。

片腕の女は、かつてルールを破った際に油注がれし者の中でも原理主義者であるダギン・バビとその仲間たちに制裁を受け、自分は腕を切断され、仲間のケカシはダギン・バビの目をくり抜いたものの、裸で台に縛りつけられて下層階で生きたまま食われたという。

さらに片腕の女は「穴からは誰も出ることができない」。と語る。しかし砂に埋もれる犬の絵を見つければ月終わりの切り替わりの際に脱獄できると言った。

ダギン・バビたちがプレンプアンがいる階にやってきた。ルールを破った罰としてプレンプアンは台で右腕を切断されて泣き叫んだ。片腕の女は裸で台に縛り付けられて下層階へ送られる

その翌月、プレンプアンが目覚めると72層におり、同室はトリマガシだった。プレンプアンはトリマガシに「ルールで自由を奪う油注がれし者と戦おう」と提案した。プレンプアンたちは下に降りるごとに賛同する仲間を台に乗せていく。途中でバハラトという人物もいたが彼は加わらなかった。

プレンプアンたちは93階にとどまり、ダギン・バビたちが降りてくるのを待つ。しかしダギン・バビたちは料理を捨てて飢えさせようとしてくる。

トリマガシの提案で、「下層階にいるダギン・バビの仲間を殺して食おう!」ということになり実行する。

とうとうダギン・バビたちが降りてくる。壮絶な殺し合いになり、プレンプアン、トリマガシ、重傷を負ったダギン・バビが残った。プレンプアンはお前を生かして生きたまま肉を削いで食べる…と言った

プレンプアンは砂に埋もれる犬の絵を見つけて最下層へ向かう。彼女は芸術家で展覧会で猛犬の像という彫刻を展示したが、その爪に走り回った恋人の子供がぶつかって目を貫かれて死亡し、自分には時間が必要だと感じてこの穴にやってきたのだった。

ミハルともう1人の男性が滑り台で喧嘩する子供たちの中から1人を選んでいる映像が差し込まれる。

プレンプアンは月の切り替わりのガスが出てくる時間に絵を食べる。絵に塗られた薬品のせいで仮死状態になった。目覚めると穴は無重力のようになっており、黒いスーツとガスマスクをつけた管理スタッフたちが死体を片付けたりしている。

プレンプアンは死体と一緒に最下層に送られそうなところで目覚めた。すると333層には子供の死体があり、次の子供がベッドに寝かせられた

プレンプアンはその子供を守るために抱え、さらに下の暗闇へ降りる。そこから子供を台に乗せ上層部に送った

子供を抱えて最下層に降りてくる人間の映像が何度かさしこまれる。その中にゴレンの姿もあった。ゴレンはプレンプアンに会って抱きしめあった。

映画『プラットフォーム2』終わり

考察1:ルールと自由の衝突

映画『プラットフォーム2』は1以上に意味不明だったが、本作のテーマはルールと自由の衝突だったように思える。

人々が公正に暮らすためにはルールが必要で、ルールには罰が必要だ。しかしそのルールや罰が行き過ぎてしまっては人間らしく生きてはいけない。そこには正解のないジレンマがある。

主人公のプレンプアンと過激派のダギン・バビはそれぞれ自由とルールの象徴だった。そして両方のメンバーが殺し合い、ほとんど残らなかった。これは自由もルールも両方必要だというメッセージの残酷な表現に見える。

日本のような法治国家にもルールがあり、違反した人間は罰せられる。しかし警察などの行政が暴走すれば、最悪の自体も起こりうる。

考察2:ラストシーンの意味:プレンプアンとゴレン

2のラストでは前作のゴレンが降りてきて、プレンプアンが「ねえ、ここで何を?」と言って近づいてきて抱きしめ合う。

プレンプアンの恋人がゴレンなのかもしれない。(つまりゴレンはプレンプアンの彫刻によって息子が死んでしまった人物)。

絶望した2人が穴に入り、最下層で再会する。そう考えると希望があり感動的なラストシーンだった。人は愛を求めてどこまでも深く降りていけるのだ。

次のページでは前作のミハルの正体と子供について考察していく↓↓