マーベル映画『デッドプール&ウルヴァリン』(デッドプール3|Deadpool & Wolverine)
映画『デッドプール&ウルヴァリン』あらすじネタバレ・ラスト結末の解説
アベンジャーズの加入を断られ、ウェイド(デッドプール)は生きる気力をなくし、支えてくれたヴァネッサに応えることができなかった。
(ヴァネッサはデッドプール2で死亡したが、タイムトラベルしたウェイドによって命を助けられた)。
ヴァネッサと別れたウェイドは中古車のセールスマンとして働いていた。
今日はウェイドの誕生日。ピーターがヴァネッサたちを呼び、家でパーティーを開催してくれる。
しかしそこへTVA(時間変異取締局)がやってきてウェイドを拉致した。
ウェイドはエージェント・パラドックスの前に連れられてくる。パラドックスは、ウェイドが過去に時空装置を利用して仲間を救ったことを知っていると語る。
そして、アンカー(この人物がいないと世界が滅ぶ存在)となっていたウルヴァリンが死んだこの世界線は徐々に滅びていく運命だから、俺が早めに破壊してやると言う。デッドプールには、神聖時間軸の世界を守るためにアベンジャーズに加入してほしいと言った。
デッドプール(ウェイド)はヴァネッサやピーターたち仲間も一緒に消されてしまうと怒り、パラドックスからマルチバースの移動装置を奪って逃げ出した。
デッドプールはウルヴァリンが生きている可能性にかけて墓を掘り起こす。しかし、金属アダマンチウムの白骨死体が出てきた。TVA(時間変異取締局)の兵士たちがやってくる。デッドプールはウルヴァリンの死体を武器にして兵士たちを次々に殺した。
デッドプールはマルチバースの移動装置で生きているウルヴァリンを探す。背が低いウルヴァリンや凶暴なウルヴァリンに刺されて逃げるデッドプール。
デッドプールは酒場で飲んだくれているダメダメなウルヴァリンを発見して、パラドックスがいる世界線に連れてくる。
パラドックスは、こんなポンコツのウルヴァリンではアンカーにならないと笑った。このウルヴァリンは過去に大失敗をして仲間たちを大勢失い(酒場で飲んだくれている間に、仲間のミュータントたちが人間に虐殺された)、その世界で笑いものにされているとらしい。
デッドプールとウルヴァリンは、パラドックスによって虚無世界に飛ばされる。そこは変異体(VARIANT/神聖時間軸のタイムラインを分岐させる存在)が送り込まれてくるマッドマックスの世界だった。
デッドプールとウルヴァリンは喧嘩になり、お互いの体を刺し合った。
キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース|クリス・エヴァンス)が、その世界ではファンタスティックフォーのジョニー・ストーム|ヒューマン・トーチだった。
デッドプールたちとクリス・エヴァンスは虚無世界を支配するカサンドラに捕まる。クリス・エヴァンスはカサンドラ・ノヴァ(X-MENのプロフェッサーの妹)に皮を剥がれて死んだ。
カサンドラの基地を黒い巨大な煙のアライオス(ドラマ『ロキ』)が襲ってくる。デッドプールとウルヴァリンは、カサンドラの基地からどうにか逃げ出した。
デッドプールは、虚無世界にいるデッドプール(ナイスプール)に会った。
デッドプールとウルヴァリンは車で旅をするが、途中で大喧嘩になり、お互いに気絶する。そしてローラ(X-23/ローガンに登場した娘)によって虚無世界に飛ばされたエレクトラやブレイドたちの基地に連れてこられた。
デッドプールはブレイドたちに「カサンドラを倒そう!」と焚き付けた。そして全員でカサンドラの基地を襲撃する。
デッドプールとウルヴァリンはジャガーノートから取ったヘルメットをカサンドラに被せ、彼女を動けなくする。ウルヴァリンはプロフェッサーへの義理から彼女を殺さなかった。
カサンドラはついこの前ここへきたドクター・ストレンジの指輪で扉を作り、デッドプールとウルヴァリンを元の世界へ返す。
デッドプールたちは、時間装置でこの世界線を破壊しようとしているパラドックスを止めようとする。
しかしカサンドラがやってきて時間装置を奪い、虚無世界以外のすべてのマルチバースを破壊する操作を実行する。
デッドプールとウルヴァリンはカサンドラが虚無世界から送り込んできた何十人ものデッドプールたちと戦った。ピーターが現れ、デッドプールたちは殺し合いを止める。
デッドプールとウルヴァリンはパラドックスを脅し、「時間装置の2種類のエネルギーを繋げればカサンドラを止められる」と聞き出す。反物質に触れることになるため、それを実行すればその人物は死ぬ。
ウルヴァリンがやると言ったが、デッドプールが先に部屋に入って扉を閉めた。しかし2種類のエネルギーを繋げるのに時間がない。扉を壊したウルヴァリンがデッドプールと手を繋いで2つのエネルギーが繋がる。マドンナのLike aPrayerがかかる。
カサンドラはエネルギーの逆流で死亡し、デッドプールとウルヴァリンは2人だったからか助かった。パラドックスは逮捕される。
デッドプールはこの世界を救った。ヴァネッサとの仲も戻りそうだ。ウェイドはウルヴァリンと一緒に暮らすことにする。
エンドロール
ジョニー(クリス・エヴァンス)は、デッドプールがカサンドラに「ジョニーがあなたのことをボロクソに言ってました」という嘘が原因で殺されたと思いきや…デッドプールが見せた監視カメラの映像で、ジョニーはカサンドラに対しての最悪な悪口を言っていたことが判明する。
やってはいけない死んだヒーローの復活・アンカー?
ヒュー・ジャックマン、さらにロバートダウニーJr.が復活!
マルチバースの大きな問題が、死んだヒーローがいつでも復活できること。
マーベルはこれまで主役級を復活させてまた主役にすえることはなかったと思うが、今作でなんとヒュー・ジャックマンのウルヴァリンを復活させてしまった。
キャラクターが簡単に復活できるということは、そのキャラクターの死が軽くなり、存在自体も軽くなるということ。マルチバースの使い方としてやってはいけないレベルのことだと思った。
アンカーとは?
また本作では、アンカー=その世界線のキーパーソンで、いなくなったらその世界線は数千年かけて滅ぶ…という設定が登場!
まだこの設定の全貌が明らかになったわけではないが、アンカーでMCUを救えるのかは疑問。
考えてみると、ウルヴァリンは『LOGAN/ローガン』でローラを救ってカッコよく死亡したのに、それでもその世界線が崩壊するということ…救いがなさすぎる。
老衰じゃないとダメなの?
他の世界線へ連れ去られたわけでもないのに世界が崩壊するというのが意味不明。あとはその世界線が崩壊するまでに数千年っていうのもスパン長すぎて危機感が伝わらない。数千年のうちにゆっくり解決すればよくね?ってなってしまう。「1年以内」とかにすればよかったのに。
ちなみに今作のパラドックスの発言からすると、他の世界からウルヴァリンを連れてきても、不適合者・ダメ男だったらアンカーにならないっぽい。
今後は、アンカーを維持するための戦いになるのか…例えば、「この世界線ではピーター・クイルがアンカーだからみんなで彼を守る。逆にみんなで他の世界線のドクター・ストレンジを殺す」みたいな感じ?
アンカーは設定次第で面白くなるかもしれないけど、マルチバース+タイムマシーンでなんでもありになった状況まで改善できるとは思えない。
感想:ディズニー&マーベルは単体で面白い映画を作ってくれ!
ゴリゴリのファンムービーすぎてドン引き。オタク向けのお祭り映画で、これ単体だとキツい。
デッドプール1&2、『LOGAN/ローガン』、その他、X-MENシリーズ、MCU作品を80%くらい見たことがあるレベルの私ではついていけない世界になっていた。エンドゲームの頃が懐かしい。
クリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ)やウェズリー・スナイプス(ブレイド)など、豪華キャストのカメオ出演はいいんだけど、問題は、今作単体で考えるとストーリーがつまらないこと。アクションはまだ良かったけど、物語がぜんぜん面白くない…。
ギャグはこってり、ストーリーは薄め。デッドプールとウルヴァリンが虚無世界に行って帰ってきただけ。
虚無世界に追放された変異体(正史から見放されたヒーロー)たちにスポットを当てる側面もあったものの、そのテーマはカメオの驚きにかき消されていた。
パラドックスはもちろんカサンドラもヴィランとしては大物感がなく、物語の求心力がバッテリー切れの掃除機なみに弱かった。
デッドプール1&2のほうがダークな雰囲気があって全然好きだったかも。本作もデッドプールははっちゃけているものの、ダークさやスリリングさがないのが残念だった。
デッドプールのギャグ要素が強すぎるので、人間ドラマとしてもかなり微妙。
デッドプール1&2に比べてデップーの哀愁が足りないし、ウルヴァリン出るならもう少しギャグシーンを少なめにしたほうがよかった気もする。ドラマ性があるはずのところまで茶番劇に見えた。ウルヴァリンの仲間を助けられなかった過去も説明ゼリフだけなので共感しづらい。ウルヴァリンの成長譚としてもいま一歩。
ローガンとローラの再会とかもさらっと流されていたし。そこはもっと盛り上げるところでは?
ちなみにデッドプール&ウルヴァリンは単体でも面白い!という意見があるけど、そこはもうオイラには理解できない領域。2時間以上にしてはストーリーが弱すぎるし、これ単体でみても意味がわからないと思う。
海外での評価は!?
2024年7月27日時点で海外レビューサイト Rotten tomatoesでは批評家が79%の支持率と低くはないが、デップー第1作目85%と、第2作目84%を下回っている。
肯定派は下ネタとグロテスクでお祭りのような展開を評価していて、
いっぽう否定派は↓
Even draped in copious amounts of irony, the nonstop fan service grows wearisome.
(皮肉(メタ発言)があっても、ファンサービスが多すぎてうんざりする)
みたいな内容が多かったです。
いっぽうで一般の評価は驚異の97%。一般の方はお祭り映画を評価し、批評家は映画としてそこまで高い評価はつけれないという感じでしょう。
マーベルの危機、これはヤバいのでは?
第四の壁を超えてデッドプールが観客にディズニー・マーベル・FOXの自虐ネタをぶっこむのも回数が多すぎてウザイ。「マルチバースは大変だけど俺たち頑張ってるよ。ファンの味方だよ」っていうエクスキューズにしか見えなかった。
エンドロールでジョニーが本当に悪口を言っていたくだりも、どうでもいいよって感じ。
マーベルMCU作品は映画というより、2時間もある連続ドラマの1話ぶんになってしまっている。
新作を視聴するためには他の全作品の知識が必須(ディズニープラスのドラマ含め)。過去に1回見ておぼろげに覚えているだけだとダメで、展開や名前を熟知している必要がある。それを知っているファンがネタを楽しめるだけの構造。
ギャグとカメオ登場と第四の壁を超えたメタ発言で大部分が構成されている…それにしては長すぎて中だるみ。
映画『デッドプール&ウルヴァリン』でMCUの終焉を感じた。私はにわかだけど、古参ファンの中にも昨今のMCUに疑問符をお持ちの方がいるのでは?フェーズ5はフェーズ4以上にめちゃくちゃな気がする。
本作が映画として高い評価を受けるようなら、それは映画界の終わりでもある(気がする)。
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