7話：人生のつづき
さえ子は、成瀬に恋心を感じているのか雄介の懐かしさに惹かれているだけなのか混乱して夜道を走る。するとヒグマに遭遇。そのときハワイのヒロから電話がかかってくる。ヒグマは着信音に驚いて去っていった。
翌日、さえ子は成瀬に「もう会わないようにする」と言った。雄介のことは今も好きだけど、成瀬も好きで、その気持ちや一緒に過ごした時間を嘘にしたくないと伝えた。
さえ子は会社の社長・みどりに辞めると伝え、家を片付ける。
後日の夜、成瀬はいてもたってもいられずさえ子の家をたずねる。しかし荷物がまとめらている。成瀬は駅まで走った。しかし心臓の痛みで倒れてしまう。
最終回 8話：さよならのつづき
さえ子はハワイのヒロの農園に来てそこで一時的に働いていた。
成瀬がやってくる。成瀬は「心臓に問題はないけど、拒否反応が消えたら雄介の記憶も消えてしまうから最後のときを過ごしてほしい」と言った。
2人はご飯を作ったりバーベキューをしたり楽しい時間を過ごす。しかしさえ子はミキから電話を受けており、成瀬に残された時間が長くないことを知っていた。夜、さえ子は成瀬の心臓の音を聴きながら泣く。
成瀬が帰宅する日、空港のピアノの鍵盤にはアルファベットが書かれており、雄介が初めてさえ子をみてI want you backを弾く前に「Smile」というメッセージを伝えていたことを知る。
成瀬はI want you backを弾くが、次第に指が動かなくなる。
成瀬はミキのもとへ帰った。抱きしめ合う2人。数カ月たち、収穫時期に車椅子に座りながらリンゴを持っていた成瀬は死んだ。
さえ子はハワイで成瀬の死を確信した。雄介の心臓と記憶も逝った。空には虹がかかる。
さえ子は小樽へ戻った。健吾に「次は同じ人を好きにならないようにしよう」と話す。
さえ子はミキに収穫を手伝ってほしいと呼び出される。ミキは毎年会いたいと言った。
ドラマ『さよならの続き』終わり
最終回まで視聴した感想と考察
成瀬が生き続けた場合、どんな関係が正解だった？
最愛の彼氏の記憶と心臓を受け継ぐ男性に出会う物語。たくさんの感動もあった。いっぽうで運命が強引だった感もあり。
成瀬が既婚者で妻のミキを愛していることもあり、成瀬とさえ子はどんな関係が正解だったのかわかりにくかったのがストーリー上の残念な点だった。不倫だけど不倫ではない…複雑かつ微妙すぎる関係。ミキがすごく可哀想で、さえ子と成瀬の関係をどう見守ればいいのか見ているこちらも困惑した。
さえ子の気持ちに答えが出ないのはわかる。好きだった男性の心臓と記憶を持った成瀬にどんな感情を持てばいいのかわからないのは当たり前だし、好きになるのもわかる気がする。単純に不倫だ！と常識的な倫理観でくくるべきではない。ただシチュエーションが特殊すぎて彼女の微妙な心情にうまく乗っかれなかった。
成瀬は死んでしまったが、生き続けた場合2人の関係はどうなったのか？その辺が伝わって来ずにモヤっとした。
一応、最終回で成瀬が「拒否反応がなくなったら雄介の記憶が消える」とは言っていた（嘘だけど）ので、成瀬が生続けた場合も雄介の記憶が残っている間の関係と考えれば良いのかもしれない。
あとはさえ子が「次は同じ人を好きにならないようにしよう」と言ったことで健吾が雄介に恋愛感情があったことがわかる。でも健吾のキャラが深掘りされていないため、その設定いらなくない？と感じてしまった。
登場人物の心理描写の解像度を上げていればもっと違う作品になったと思う。
ピアノ曲「I WANT YOU BACK」について
マイケル・ジャクソンと兄弟のグループ The Jackson 5の I WANT YOU BACK（邦題：帰ってほしいの）がストーリーのモチーフにもなっていた。
雄介がこの曲をさえ子に向けて弾いたとき、いつもの明るい君（さえ子）に戻ってほしいという気持ちがあったのだろう。
さえ子の視点で見てもこの曲は、雄介に戻ってきてほしいという心情吐露になっている。その願いの通り、雄介は心臓だけになっても成瀬の体で戻ってきた。
ちなみに I WANT YOU BACKの歌詞は「自分がないがしろにして別れてしまった元恋人にもう1度チャンスをくれ！帰ってきてくれ！」というものだ。
あくまで I WANT YOU BACK（戻ってきてほしい）というフレーズが重要で、原曲の歌詞とドラマのリンクはそこまでないと感じた。
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