ホラー映画『プー あくまのくまさん』野生化したプーとピグレットが女性たちを無惨に…。
物語ネタバレあらすじ・ラスト結末解説
考察:女性嫌悪(ミソジニー)的な物語構造、ヒロインの胸糞末路
視聴してのぶっちゃけ感想・評価(ネタバレあり)
これらの情報を知りたい人向けにわかりやすくレビューしていきます!
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『プー あくまのくまさん』ネタバレ・ラスト結末まで解説:グロい殺害方法
プーさんが凶暴になった経緯
クリストファー・ロビンが進学のために100エーカーの森を離れたあと、荒地に残されたプーたちは食料不足で飢え死に寸前だった。そこでプーたちは仲間のイーヨーを食べて生き延びる。そこから彼らは言葉を捨て、生きていきために野生を呼び覚ますことにした。
クリストファー・ロビンの悲劇
数年後、クリストファー・ロビンが妻のメリーを連れて森に戻る。木造りの家には凶暴化したプーとピグレットがおり、メリーはピグレットに首を絞められて殺され、クリストファー・ロビンは囚われる。
プーにメリーの血を浴びさせられて絶叫するクリストファー・ロビン。
若い女性たちに迫るプー
過去にストーカー被害にあった女性・マリアは友達のジェシカ、ララ、アリス、ゾーイ、一緒に自然豊かな場所にある邸宅に休暇で泊まりにくる。
しかしそこはプーたちが住む森の近くだった。
メンバーの1人、ティナは遅刻したため1人で車でマリアたちの後を追う。しかし森で迷い、プーに追いかけられ、工業機械で顔をミンチにされて死亡。
ララは外で風呂に入っているところをプーたちに引きずり出される。
ララは車のタイヤで頭を潰されて目が飛び出て死亡。
ゾーイは家の中にあるプールで巨大なハンマーでピグレットに殴られて死亡。アリスが連れ去られる。
マリアたちは仲間の死に絶望しながらも、アリスを助けにプーの小屋へやってくる。そしてマリアの拘束をといた。
マリアたちは吊るされているクリストファー・ロビンを発見し、彼を助けた。
マリアたちは途中の車の整備場であった女性が捕まっているのを見て助けるが、彼女はピグレットに勝負を挑んで敗れ、顔を食われて死亡。
マリアとジェシカは森を逃げる。プーが追ってくる。
アリスはピグレットをハンマーで何度も殴り、撲殺した。しかし戻ってきたプーに巨大なナイフで頭を刺されて死亡。
ラスト結末
マリアとジェシカは道で車の整備場にいた男たちに出会う。彼らはプーをリンチしようとするが歯が立たず、逆に全員が惨殺されてしまう。
マリアたちは車で逃げようとするが、ジェシカがプーに捕まり、首を切断されて殺される。
絶望するマリア。そこへクリストファー・ロビンが車で突っ込んできた。プーは車体に挟まれて動かなくなる。しかし生きていて抜け出し、マリアの首をつかむ。
俺を連れて行けと叫ぶクリストファー・ロビン。しかしプーは「おまえは去った」と言い、マリアの首を切り裂いた。
クリストファー・ロビンは絶望の中で逃げる。
映画『プー あくまのくまさん』終わり
映画『プー あくまのくまさん』考察
ミソジニーの物語:凶暴化の真の理由
プーは、クリストファー・ロビンの妻を殺し、女性宿泊客たちを次々に惨殺していく。プーは女性を嫌悪するミソジニー男性に見えないこともないと思った。
ヒロインであるマリアが男性にストーカーされていた設定もポイント。マリアに迫ってくるプーは、世の中の暴力的な男性の象徴でもある。
そう捉えると、プーやピグレットは大好きだったクリストファー・ロビンに去られたことで、男性が女性に裏切られるような心情になったとも考えられる。
もしくはクリストファー・ロビンが女のせいでいなくなったと考えているのかもしれない。
だからクリストファー・ロビンの妻を一瞬で殺したのではないだろうか。人間嫌い=女性嫌いに見える。
プーがゲイであるとか、そういう具体的な話をしたいわけではないが、『プー あくまのくまさん』は広い視点では少年が女性に裏切られ、女性を憎むようになるミソジニー的な構造とぴったり重なっていた。
ヒロインがトラウマに屈服する胸糞
まさかのヒロイン・マリアが死亡する結末に驚いた。しかも死亡するだけでなく暴力的な男性(プー)に屈服する形で殺される。
マリアはストーカー被害のトラウマを持っていた。普通のホラー映画では、トラウマの克服が描かれることが圧倒的に多い。たとえ最後に死んだとしてもやられっぱなしで終わることはない。
しかし本作ではストーカー的なプーにあっさり殺されて死亡する。斬新な胸糞感…狙ってやっていたのなら結構すごいと思う。
普通なら、ヒロインがプーを殺すか、もしくは一矢報いて逃げ延びるかのどちらかになりそうなものだが、何もできずに死ぬことになるとは…。
『プー あくまのくまさん』ネタバレ感想・評価
女性メンバー・ララが外のジャグジーで自撮りしている時にプーが映り込んでいるシーンは良かった。プーがクリストファー・ロビンに彼の妻の血をぶっかけるシーンもスプラッターとしてインパクト抜群だった。
ただ、逆にそのほかが全部ダメ…というか、ノリで作った映画にしか見えなかった。
プーたちは野生化した!とか言っておきながら、人間みたいに小屋で暮らしてるし、そもそも森もわりと資源がありそうで、飢餓の設定に説得力がない。
プーがミツバチを操れる設定もギャグにしか見えない。プーはハチミツ食ってたし、養蜂家なの?人食わなくて良くね?
マリアのストーカー設定はよくわからないまま終わる。
あとは、プーとピグレットのビジュアルにもう少しリアリティを持たせられなかったのか?
ピグレットなんかかぶりものをしただけで、中にいる人間の白い肌が見えていたけど…。
女性たちが泊まる場所からプーたちがいる小屋まで走って数十秒の距離も気になる。その辺のディティールもボロボロだった。
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映画『プー あくまのくまさん』作品情報
制作国:イギリス
上映時間:1時間24分
原題:『Winnie-the-Pooh: Blood and Honey』
ジャンル:ホラー、スプラッター
年齢制限:PG12
監督・脚本:リース・フレイク=ウォーターフィールド
原作:A.A.ミルン、E.H.シェパード
撮影:ヴィンス・ナイト
音楽:アンドリュー・スコット・ベル
全世界興行収入:4,186,127ドル(約6億1000万円)
※以下、『プー あくまのくまさん』のストーリーネタバレありなので注意してください!
ここまで読んでいただきありがとうございます。ホラー映画『プー あくまのくまさん』レビュー終わり!