鉄平がギヤマンを自分の部屋に置いた理由
鉄平は朝子のためにギヤマン(ダイヤモンドという意味のガラス細工)を作った。
作っている最中の、世界でただひとつのダイヤモンドを作っている…というセリフに感動。
なぜ鉄平は、そのギヤマンを朝子がいた銀座食堂でなく自分が住んでいた部屋に置いたのか?
銀座食堂は1階なので、ギヤマンを置いていても誰かに取られてしまうかもしれないなどの合理的な理由もあったのだろう。
いっぽうで、ギヤマンを過去の自分に届けたいという気持ちがあったのだと思う。
鉄平は端島が復活したら朝子にプロポーズすると決めていた。
着炭して端島は復活したものの、手作りのギヤマンを渡そうとしたこともあってプロポーズが“あの夜”まで延びてしまった。
結果、鉄平は朝子に思いを伝える前にヤクザに追われて逃げるハメに。
あのときギヤマンがあれば、もっと早くにプロポーズして全く違う人生を歩んでいたかもしれない。
そんな思いで過去の自分をねぎらうためにギヤマンを贈ったように思えた。
ギヤマンの光が反射する違う未来
ラストシーンでは、
- いづみがコスモスの花束を見て泣く
- 鉄平からコスモスの花束を受け取っている想像のシーン
- 鉄平の部屋で光り輝くギヤマン
という順番になっていた。
廃墟となった端島の一室にあるギヤマンは太陽の光を乱反射していた。違う未来もあったかもしれない…という希望の演出に見えた。
パラレルワールドがあるとか言っているわけではなく、詩的な意味でギヤマンは鉄平と朝子が結ばれた世界線を映し出しているのかもしれない。
演出、映像の繋ぎ方が秀逸だと感じた。
玲央(レオ)がツアーガイドを選んだ理由
玲央(レオ)はなぜツアーガイドを選んだのか?
いづみと鉄平の日記から端島の思い出を聞き、それぞれの土地に眠っている物語があると気づいたから。
それだけでなく、『海に眠るダイヤモンド』の端島の光景は玲央が日記をもとに想像したものであった(いづみの回想、もしくは真実なら鉄平は玲央と同じ顔にはならない)ことから、本ドラマにおいて玲央はツアーガイドの役割を最初から果たしていたことになる。
メタ的な解釈にはなるが、これだけ多くの視聴者に感動の光景を見せた玲央なら立派なツアーガイドになることだろう。