Netflix映画『パレード』(The Parades 2024)。藤井道人監督が長澤まさみや横浜流星、リリー・フランキーら豪華キャストで死後の世界と生きている人の絆を描いた心温まるヒューマンドラマ。
Netflix映画『パレード』(The Parades)。長澤まさみが死後の世界で何を見るのか?心温まるヒューマンドラマです。 シネマグ 藤井道人監督の最新作!キャスト&登場人物、あらすじ、作品情報を完全網羅! […]
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Netflix映画『パレード』ネタバレ感想・評価
作り込まれて面白みがない
クオリティは高いけど面白さや満足度はイマイチでした。
映像はすごく美しかったですし、美奈子(長澤まさみ)が息子と、勝利(横浜流星)が恋人と再会するシーンなど随所に感動はあります。
しかし、ストーリーが過度に作り込まれていたのが個人的にはすごく引っかかりました。
マイケル(リリー・フランキー)がみんなと一緒に劇中映画を作り、生き返ったナナ(森七菜)が映画監督になってマイケルの映画を現実化する結末。
その映画を美奈子の息子や、かおり(寺島しのぶ)の家族が一緒に鑑賞するラストです。
何度も劇中映画が出てくるメタ構造により、映画の世界と現実をシンクロさせたい意図はわかります。
ただ、劇中の映画=死後の世界 VS 現実の対比構造それ自体がそのままラストのメッセージにつながるため、終盤のおどろきやワクワクが少なかったです。
最近だとディズニーの『ウィッシュ』とかがいい例ですが、ブロックを積み上げたような構造的にキレイな物語は求心力を欠きます。
人間は不純物や不確定要素、エラーが多少なりともある映画のほうが引き込まれるのです。
本作はしっかり設計したのが随所で垣間見えるくらい理論立っており、言葉を超えた感動というほどまで引き込まれませんでした。
元々はドラマ企画!?
現実と天国のはざまの世界にいる7人の男女が、それぞれ現実世界の最愛の人と再会する…。
「全7話で毎回1人が成仏していく!」みたいな感じのほうが、それぞれの関係性をたっぷり描けてより感動できたと思います。
映画も長澤まさみが単独で主人公というよりは群像劇だったので、「ドラマの企画が途中で映画に変更になったのかな?」と勘繰ってしまいました。
勝利(横浜流星)と恋人の話や、終盤のマイケル(リリー・フランキー)のストーリーはしっかり描き込まれていたと思います。
しかし美奈子と息子、美奈子と先輩、かおりと子供たちなど、もう少しじっくり見たかった関係も多かったです。
既視感バリバリの物語
「死んだ人間が生きている家族に会いに行き、生きている人間は何らかのメッセージを受け取る」
よくある話ですね。古来の神話や民話からこの手のストーリーはたくさんありますし、映画だと『ゴースト・ニューヨークの幻』、最近のNetflix作品だと実写ドラマ『幽遊白書』など、似た要素を持っている作品は無数にあります。
べつに死者と生きている人間の物語をやるなというわけではありませんが、映画『パレード』は表現がストレートすぎたような気がします。
結果「よくある話だけど真新しく感じる!」ではなく、「似たような話を見たことがある」という印象が強まってしまいました。
けっこうくどい
死者が生きている人に影響を与える構図と、映画が現実に影響を与えることの対比によるメッセージがラストまで何度も繰り返されて若干くどいと感じました。
このメッセージはマイケル(リリー・フランキー)が映画を作ろう!と言った瞬間から明らかです。
- マイケルの映画の制作過程と映像が流れる
- そこから現実で生きている50年前の恋人・麻衣子に会いに行く
- さらに、ナナが生き返って数年後にその映画を作る
すでに明らかになったテーマが何度も伝えられた格好です。
全体的に「なんかくどい」と感じてしまいました。
マイケルが作った映画を現実の麻衣子に見せにいくシーンは要らなかったのでは!?ちょっと蛇足かな。夫(舘ひろし)の前で抱きしめてるし…。
藤井道人監督は『最後まで行く』も、面白かったけど結構くどかった印象。ご自身の中でくどいブームなのかもしれませんね。
アキラの告白はいるか?
ネットのレビューを読んでいると「アキラ(坂口健太郎)が美奈子(長澤まさみ)に告白するくだりは要らなかった」という意見が非常に多かったです。
確かに唐突でしたけど、個人的にはこの告白はあってもよかった気がします。
細かい部分で予想外の展開が少ないので、こういうサプライズな展開があって良かったと思いました。
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