『スマホを落としただけなのに1』ネタバレ・ラスト結末まであらすじ解説,麻美の正体は?

  • 2024年11月2日

落としたスマホが招く悲劇の始まり

富田誠は、重要なプレゼンに遅刻しそうになり、慌ててタクシーから降りる際、スマホをそのまま車内に落としてしまう。事態に気づかぬまま、彼の恋人・稲葉麻美は富田に電話をかけるが、その電話に出たのは見知らぬ人物であった。スマホを拾った人物がカフェに預けたと聞き、麻美はスマホを引き取りに向かうが、その際、何者かに撮影されていることに気づく。

後日、富田はプラネタリウムで麻美にプロポーズするも、麻美は浮かない顔で「少し時間が欲しい」と返す。彼女にはある秘密があったのである。そしてその頃、富田のスマホを拾った謎の人物が、スマホから抜き取った情報を元に二人の行動を監視していた。

同じ頃、丹沢山中で若い女性の遺体が発見され、捜査が開始される。担当するのは、刑事・毒島と、IT企業から転職した新人刑事・加賀谷である。彼らが現場で発見した遺体は合計5体であり、全員が長い黒髪の若い女性であった。被害者の髪は切り取られ、下腹部には多数の刺し傷が残されていた。

謎の侵入者とすれ違う恋人たち

5人の被害者たちは、家族と疎遠な地方出身者であった。犯人は被害者たちのスマホを利用し、音声加工で家族に連絡を取って生存を偽装していたが、警察の捜査が進むと犯人は被害者のスマホを破壊した。

スマホを落としてから、富田と麻美の周囲で奇妙なメールや不可解な出来事が続く。富田のスマホにはランサムウェアが仕掛けられ、麻美が知り合いのネットセキュリティ会社に相談すると、浦野という社員が対応し、迅速に問題を解決する。しかし、犯人の思惑にはまり、二人は互いに浮気を疑う写真を送り付けられ、関係が悪化してしまう。

その一方で、犯人は麻美と過去に関係がある商社マン・武井のSNSを探り、麻美の過去にまつわる重大な秘密を掴んでいた。

衝撃の真相と麻美の過去

富田のスマホを拾ったのは、実はランサムウェアの解除を行った浦野善治であった。彼の裏の顔は、長い黒髪の女性ばかりを狙う連続殺人鬼であった。浦野は「小柳」と名乗って麻美に執拗なメールを送りつけ、彼女のSNSを乗っ取って勝手に投稿し、さらに麻美のスマホにもランサムウェアを仕掛けていたのである。

麻美が再び浦野に助けを求めた際、浦野は本性を現し、彼女を誘拐して隠れ家に連れ込み、殺害しようとする。富田と加賀谷は、それぞれ麻美の監禁場所を突き止め、寂れた遊園地に向かう。富田が先に到着し、浦野と対決するも、浦野に足を折られる。その状況で浦野は麻美の秘密を暴露しようとするが、麻美は「自分から話す」と決意を固める。

麻美の本名は「山本美奈代」であり、2人はかつての親友であった。株の投資に失敗した麻美は、美奈代の名義で闇金から借金をしてしまい、激怒した美奈代に「私の人生をあげる」と自分の身分証明書を渡して自殺する。それ以降、美奈代は整形して麻美として生きてきたのである。浦野は、麻美のパスワードと武井の写真フォルダに共通の名前「minayo」から彼女の秘密に気付いていた。

過去を乗り越え、新たな未来へ

遊園地に到着した加賀谷は、浦野と対峙する。加賀谷は浦野の母親の言葉「あんたなんか生まなきゃよかった」を繰り返し、浦野を混乱させる。もみ合いの末、毒島が駆けつけて浦野を撃ち、逮捕に成功する。

浦野は取り調べに対し、事件について何も語らなかった。一方で、浦野に襲われ入院していた富田は、自分が麻美を傷つけたと考え、彼女に連絡を取ることができずにいた。

見舞いに訪れた加賀谷から麻美のスマホを受け取った富田は、スマホの「お気に入り」フォルダに自分の写真が数多く保存されているのを見て、彼女の愛情を確信する。

その後、富田は最初にプロポーズしたプラネタリウムで麻美に再会し、「新しい戸籍で新しい人生をやり直そう」と再びプロポーズする。二人は手をつなぎ、新たな人生へと歩み出すのであった。