映画『鹿の王 ユナと約束の旅』ネタバレあらすじ感想!相関図,ジブリのパクリ?考察・酷評レビュー

  • 2024年3月25日

長編アニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』(しかのおう:ユナとやくそくのたび)は、2つの国の争いに端を発した山犬が媒介する伝染病を背景に、戦士ヴァンと孤児ユナの冒険を描いたスケールの大きな物語!

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ただ、評判の良い原作小説を大幅に改変したようで、『もののけ姫』の抜け殻…のような微妙な作品になっていました。

見どころ、率直な感想・酷評の理由ストーリーネタバレあらすじ解説を知りたい人向けに記事をまとめました。

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』は面白かった?(投票どうぞ)

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映画『鹿の王 ユナと約束の旅』ネタバレなし感想・あらすじ

『鹿の王 ユナと約束の旅』登場キャラ相関図

©︎鹿の王 製作委員会/https://shikanoou-movie.jp/#story

あらすじ:生き甲斐を見出せず、ツオル帝国の坑道で奴隷のように働かされていた元戦士のヴァン。ある日、黒狼熱(ミッツァル)が坑道を襲い、ツオル人たちは山犬に噛まれて発熱しみんな死にますが…。

アニメーションや世界観は素晴らしく、それなりに見応えがあります。

ただストーリーはいろいろある要素の上澄みだけすくってしまったようで、ジブリの『もののけ姫』を薄くしたような印象。

病気と内乱の内容で、ファミリー向けでもありません。

おすすめ度 65%
世界観 82%
ストーリー 68%
IMDb(海外レビューサイト) 6.3(10点中)
Rotten Tomatoes(海外レビューサイト) 批評家% 一般%

※以下、アニメ『鹿の王 ユナと約束の旅』のストーリーネタバレありなので注意してください!

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』ネタバレ感想・評価

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』8項目の評価グラフ

アニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』の評価は62点。

「これ観たことある…」というのが第一印象。

ヤックルみたいな鹿に乗っているし、主人公・ヴァンは祟り神っぽい山犬に手を噛まれて凄いパワーを発揮しているし…『もののけ姫』ですね。

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既視感に襲われ、素直に入り込めません。

ジブリ『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』で作画監督だった安藤雅司が手がけているのでオマージュとして成立するのでしょう。同じスタッフなのでパクリという言葉は当てはまりません。

ただ、テーマもストーリーも『もののけ姫』まんまなのはいただけません。

監督の経歴を知らなければ完全なパクリ作品っていうくらい似ており、なおかつ斬新さやインパクトはありません

シシ神っぽいドロドロが山から流れ出てくる冒頭など、なぜこれほどまで『もののけ姫』に寄せたのか疑問です。

鑑賞後の犬
漫画ではなく小説の映像化なので、絵の表現で差別化を十分にできたのではないでしょうか。

『もののけ姫』との比較になってしまい、完成度が段違いに低いと観客にわからせてしまうマイナスしかなかったと思います。

実際、宮崎駿の凄さが改めて理解できました。

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おそらく宮崎駿監督なら本作のような情報量が多い物語でも、映像で説得することができるでしょう。

『鹿の王 ユナと約束の旅』世界観が美しく、2つの部族の紛争の歴史など設定も魅力なのですが、ストーリーも駆け足なので、設定の魅力が台無し。

国同士の争い、反乱、謎の感染症、精神世界などなど、優れたテーマが全部中途半端にぶら下がっていました。

明らかに、それぞれのキャラやバックグラウンドをじっくり描いた方が良い題材です。(原作は評判が良いので、細かい部分が掘り下げられているのでしょう。)

原作未読ですが(すいません)、映画版の『鹿の王』は原作から大幅に内容が改変・省略されているっぽいですね。

やっぱり情報量が多い大作を映画化するのは難易度が高いです。うかつに手を出して素晴らしいと評判の原作を、微妙な形で映像化するのはどうかと思いました。

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』ネタバレあらすじ解説

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』の主人公ヴァンと少女ユナ

©︎『鹿の王 ユナと約束の旅』製作委員会

かつてのアカファ国の戦士・ヴァンは、現在はツオル帝国の坑道(地下の炭鉱みたいな場所)で奴隷として働かされています。

ある日、黒狼熱(ミッツァル)を持った山犬たちが坑道を襲いました。狼に噛まれたツオル帝国の人々は、身体中に紫のアザができて死んでいきました

鑑賞中の犬
黒い粘液を纏った黒狼熱(ミッツァル)山犬のシーンは思いっきり『もののけ姫』のドロドロ状態シシ神ですね。ここまで似せなくてよくね?

独房に入れられていたヴァンは、死んだ女性が背負っていた幼児・ユナが噛まれているのをみて狼を引き剥がして彼女を助けました。ヴァンは狼に右手を噛まれて気絶

目を覚ますと右手には不思議な力が宿っており、ヴァンは牢の太い格子を素手で破壊してユナを抱き上げます。

鑑賞中の犬
まんまアシタカ設定やん…

坑道の人々は黒狼熱(ミッツァル)で全員死亡していました。

一方、ツオル帝国の皇帝の次男・ヨタルは、黒狼熱(ミッツァル)に感染した兄・ウタルを救うため、医者のホッサルを呼び寄せました。ホッサルは坑道の黒狼熱(ミッツァル)感染者の死体を調べます。

アカファ国は10年前からツエル帝国の配下になり、アカファ王と参謀トゥーリムは、表向きはヨタルに従うふりをしながら、アカファ人は感染しない黒狼熱(ミッツァル)を使ってツエル帝国を滅ぼそうと画策しています。

狩人のサエは、坑道から逃げた人間がいると気づきました。ホッサルはその人物を見つけたら黒狼熱(ミッツァル)の抗体が作れると考え、サエと旅をすることに。

サエは裏でトゥーリムから、逃げた男ヴァンを殺せと指示を受けていました。

ヴァンとユナは森ではぐれていた大鹿を見つけ、鹿を育てている森の中の村へやってきてそこで暮らします。

鑑賞中の犬
鹿がまんまヤックル…

以前、妻子に死なれたヴァンは、次第にユナを実の娘のように感じるように。ユナは鹿の乳を搾って飲み、ツオル出身の女性たちを驚かせました。

鑑賞中の犬
ユナが噛まれたのに感染しないのは、鹿のミルクのおかげかな。

ある日、黒い山犬たちがその村を襲い、ユナが連れ去られてしまいました。ヴァンはホッサルたちに捕まります。

ヴァンは、ホッサルにユナのことを話します。ホッサルは事情を理解し、ユナを連れ戻したあと抗体を作るために血を分けてくれと頼みました。

かつてアカファ国戦士に両親を殺されたサエは、ヴァンを殺そうとしていると判明。サエはヴァンの境遇を理解し、殺害をやめました。

ヴァンは夢を見ます。意識の中で山犬の王・ケノイから裏返った男と呼ばれ、世界の命は繋がっていると知りました。

ヴァンたちはユナが連れ去られているであろうアカファ国奥地・火馬の郷に到着。ヴァンは戦士オーファンと話したあとでユナがいる場所に連れて行かれ再会を果たしました。

鑑賞中の犬
なんか、物語は壮大なんだけどストーリーの描き方があっさりで山場もなく、イマイチ感情移入もできません。眠くなります。

ヴァンはケノイから山犬の王の座を告げと言われますが断りました。ツオル帝国の軍隊が火馬の郷に迫ってきており、オーファンや山犬の王の血を受け継いだユナがそれに対抗しようとします。

ヴァンが鹿の王兼山犬の王となり、争いが大きくなるのを止めることに成功。ヴァンは人間を超えた存在になり、森の中へ消えていきました。

鑑賞中の犬
裏側の世界などについて意味不明なまま、とりあえず争いはファンタジーでなんとなく解決。

ホッサルは鹿が食べているミツバや鹿のミルクに抗体の成分があると気づき、感染者の治療に成功。

序盤で気づいていた犬
天才医師なら食習慣の違いに最初に気付こうぜ!

ユナは大鹿の村へ戻り、そこで成長します。数年後山犬と一緒にいる大鹿を見つけ、ヴァンだと確信しました。

鑑賞中の犬
『大怪獣のあとしまつ』よりは全然マシだけど、味付けが薄すぎて、なんとも言い難い微妙なアニメ。観たことすら忘れそう…。

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』終わり。

映画『鹿の王 ユナと約束の旅』キャスト・作品情報

公開・制作国・上映時間2022/02/04・日本・113分
監督:安藤雅司・宮地昌幸
英題:The Deer King
原作:上橋菜穂子『鹿の王』
脚本:岸本卓
撮影:田中宏侍
製作:鹿の王 製作委員会
制作:Production I.G
音楽:富貴晴美
主題歌:milet『One Reason』

ヴァン|CV堤真一

ヴァンは元アカファ国の独角の戦士で、現在はツオル帝国の坑道で奴隷のように働かされている男性。

堤真一は映画『容疑者Xの献身』『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』など出演作多数のベテラン。

ホッサル|CV竹内涼真

ホッサルは、天才的な技能を持った医師。

竹内涼真は『仮面ライダードライブ』でブレイクし映画『太陽は動かない』(2021)、ドラマ『君と世界が終わる日に』など人気爆発中。

ユナ|CV木村日翠

ユナは孤児少女で、坑道にいる女性に育てられている。ヴァンと旅をすることに。

サエ|CV杏

サエは、アカファ王国出身の狩人。

杏は映画『CUBE 一度入ったら、最後』(2021)、ドラマ『妖怪人間ベム』(2011)『日本沈没 希望のひと』(2021)で有名。

その他の登場人物と声優CV

ヨタル|阿部敦

トゥーリム|安原義人

マコウカン|櫻井トオル

オーファン|藤真秀

ケノイ|西村知道

アカファ王|玄田哲章

まとめ

アニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』は、壮大なテーマを2時間に収めようとして失敗し、非常に印象が薄い残念な作品となってしまいました。

改めて、設定が膨大な原作小説の映像化って難しいですね。

CineMag
本作は攻めた部分もなく、何もかも中途半端に映ってしまったのが残念でした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。『鹿の王 ユナと約束の旅』レビュー終わり!