真夜中乙女戦争・考察:大学生というより小学生(ネタバレ)
「シェイクスピアを学んでも意味ねえ。1講義当たりの金銭的な価値は3000円だからそれ以上の講義をしろ」と自慢げに語る主人公。
文学の価値を金銭で図ろうとする思考回路で、“文学のいい授業”が判断できるわけありません。
人間的に底が浅すぎですし、個人的に近づきたくない功利主義的な考えですが、まだ主人公は大学1年生なのでニヒルに構えるのもギリギリ許せます。
全てに意味がないという強烈なメッセージをぶちかましてやる!というコンセプトだとは思うのですが、主人公は文学はだめでも映画は楽しく見れちゃう派。
ここから読み解けるのは、全ての価値観を否定したい衝動より、主人公に本を読む能力がないことです。
社会を転覆させたい大学生の設定には知能がかなり足りていない、ただダサくて魅力のないキャラクターです。
この主人公は“腐った社会システム”に参加している池田エライザ演じる先輩に共感を寄せます。
先輩にニーチェの話をされたり、「頑張っている人は倒すべき悪?」と浅い問いを投げかけられたりして心を揺さぶられます。なぜでしょう?池田エライザだからです。
一方で、ババア教授には「シェイクスピアには意味がない!」と猛抗議。
ニーチェやシェイクスピアうんぬんでなく、実際は女性の顔面と年齢と胸の大きさが判断基準なのでしょう。
そんな彼が謳う社会転覆は、小学生が宇宙飛行士になりたいと口にするようで、シリアス感ゼロ。賞味期限のブロッコリーでも食っとけよ。
全体的に、凄みのない主人公のせいで「腐った社会システムとそれに加担する人間を破壊する」という流れに苦笑いしか出来ませんでした。
最後のまとめ
映画『真夜中乙女戦争』は、小説には向いている抽象的なストーリーを映画化して爆死した超駄作です。
製作側は「コロナのテーマを盛り込めばイケる!」とでも思ったのでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。映画『真夜中乙女戦争』レビュー終わり!
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