この記事は、筆者が人生初のハードロックカフェを体験した記録である。
そして中学校から20年ハードロックを聴き続けてきた筆者の魂の叫び。
そして日本からハードロックが絶滅する前の、最後の記憶である。
場所はハードロックカフェHRCユニバーサル・シティウォーク大阪店。ユニバーサルスタジオジャパンのすぐ隣だ。
メッシはロックじゃない
USJで遊んだ帰りに寄ったハードロックカフェ。出迎えてくれたのはなんとあのメッシ(ポスター)だった。
ハードロックとサッカーのレジェンドメッシの関連性がわかんねえ…。
店員に聞いたところによると、メッシはなんでもハードロックカフェのアンバサダーに就任し、オリジナルハンバーガーを考案したらしい。
おいおい正気か?
メッシのプレイリストに入っているのブルーノ・マーズとかだぞ。コイツ全然ロックじゃないぞ。
(でもメッシバーガーとっても美味しかったぞ。※追記。アルゼンチンワールドカップ優勝おめでとうございます。メッシはやっぱすげえ。)
気が利きすぎるイケメンバーテンがロックじゃねえ
筆者と嫁はバーカウンターに座った。
バーテンは清潔感のある好青年で、テキパキとした動きから仕事ができるタイプ。接客も丁寧だ。
メッシバーガーを食べ終わる頃には、油でギトギトに汚れた指を拭くために替えのおしぼりをサッと置いてくれた。絶対モテるだろコイツ。
絵に描いたような気が利く青年。…しかしいっこうにロックじゃない!!
ハードロックが客に媚びるはずがない。
ハードロックカフェなら、注文を大声で叫ばれてやっと嫌な顔をして振り向き、注文を無視してバーボン・ロックを出すくらいの接客でいいはずだ。
女性ウェイトレスどもが次から次へとバーテンのところにやってくる。客からの注文を上目遣いで嬉しそうに伝え、隙あらばバーテンにボディタッチ。
おいおいフワフワのホットケーキカフェかここは?
誕生日の客がいればみんなに手拍子を求めてケーキでお祝い。
全然ロックじゃねえ…。
誕生日の客にはウイスキーぶっかけるか顔面をケーキにめり込ませるかしろよ。
それくらいでいいんだよ。むしろそれがロックだよ。
おいおい、もっとハードロックかけろよ
ハードロックカフェなのに、かかる楽曲のハードロック率は3割以下。
ラテンポップスとJAY-Zの曲で、モトリー・クルーの名曲「キックスターとマイハート」をサンドイッチするんじゃねえ!
ってゆうかR&Bのほうがロックより全然多くかかってるぞ…。
ファミリー客も多いからコテコテのハードロックを流すのを遠慮しているのだろうか?
でも遠慮ばかりではハードロックカフェの存在意義がゆらぐ。
奥の席にいる5歳児に爆音ロックの洗礼を浴びせてやれよ。
多分、筆者の嫁のほうがロック
全体的にレストラン・カフェとしてはバーガーの味もカクテルも接客も100点満点。
ただ、ハードロックとしては18点くらいの店だった。
いいカフェなんだけど、音楽好きとしてハードロックコンセプトをもっと貫いてほしい。
コンセプトをブレブレにすればするほど一般のお客さんも普通のレストランとして利用しやすい。それはわかる。
ただ、世間ではとっくに絶滅危惧種であるハードロックが、ハードロックカフェの内部でも息たえようとしているのを見てちょっと悲しかっただけだ。
ポテトフライのギトギト油とバジルを頬につけ、オジー・オズボーンの雑誌のそばでカクテルのイチゴにむしゃぶりついてブラウスを赤く染める嫁。
そう、これがハードロックだ。
ハードロックカフェより、隣に座っている嫁のほうがロックだった話。