『告白 コンフェッション』のラスト結末までネタバレ解説、事件の真相やラストシーンの意味、原作との違い比較について書いています!
『告白 コンフェッション』ネタバレ・ラスト結末の解説
浅井は沈黙に耐えきれず、「さゆりは遭難だった。それでいいだろ。他言はしない…」とジヨンに話す。
ジヨンは怪我をした左足を自らナイフで刺し、お前がキツく締めすぎたから感覚がなくなってきた…と言う。そして、「なんぜ俺がさゆりを殺したとわかっても平気なんだ?付き合ってたんだろ?」と続けた。
そして「俺は殺人を告白した。お前も告白しろ」と言ってくる。浅井は「俺には告白することなんかない」と叫んだ。
とうとうジヨンは殺意を持って浅井に襲いかかってきた。包丁を持っている。
浅井は逃げる。山小屋には2階へ上がる階段のほかに、2階の奥には1階の物置へつながる梯子があった。浅井は逃げ回り、ジヨンが追いかけごっこのように追う展開が続く。
浅井は高山病で視界がかすむようになってきた。
ジヨンはお前はさゆりが死んでほっとしたんだろ?さゆりは妊娠していたから…と言った。
ジヨンはさゆりを好きだったが、16年前にこの山へ登山したとき、さゆりは自分を見下してきたから殺したと語る。
浅井が1階の物置に隠れていると、1階の扉が塞がれた、2階へのぼる梯子の先の扉も塞がれて閉じ込められてしまう。
朝になり救助のヘリの音が聞こえる。扉の割れた部分から外を見ると、救助隊がジヨンだけを連れて帰ろうとしている。
浅井は慌てて外へ飛び出る。浅井の目は高山病のせいか真っ白になっていた。救助隊が来たかと思ったが、救助隊の服をきたジヨンだった。
ジヨンは浅井の首を絞める。浅井は「さゆりを殺したのは俺だ。お前が首を絞めたのを俺はみていた。さゆりが息を吹き返したから殺した」と告白する。
…浅井は目を覚まして飛び起きる。まだ夜で静かだった。寝てしまっていたのだ。ジヨンは隣に座っており、「おまえ、おかしいぞ」と言われる。
翌日、救助にやってきた捜索隊が山小屋へ入ると、浅井が何度もジヨンを登山用の杭で刺して殺していた。
浅井は「告白したお前が悪い」とつぶやく。
考察1:事件の真相や動機について
主人公の浅井の主観で物語が進行していくが浅井は高山病でおかしくなっているため、厳密に考えればどこまでが幻覚か曖昧だ。
真相を表面どおり受け取れば、
- 16年前にジヨンはさゆりを殺すつもりで首を絞めた
- 浅井はそれを見ていた。しかしジヨンがその場を去ったあとさゆりは息を吹き返した
- 浅井は恋人だったさゆりの妊娠で自分の未来が潰れるのが嫌で、首を絞めて殺した
となる。
ジヨンがさゆりを殺そうと考えた理由・動機は、さゆりを好きだったが自分を見下すような態度を取ったからだと言う。存在を軽くみられた気がして許せなかったのだろう。韓国人だからと差別された可能性もある。
考察2:ラストシーンの本当の意味
終盤で浅井がさゆりの殺人を告白して目覚めるとジヨンが横に座っており、時間が戻ったような感覚に襲われる。浅井は高山病で正気でないため、何度もループしているような錯覚に囚われているのだろう。
- 殺人を告白すると時系列が戻りジヨンの横で目覚める
- ジヨンと殺し合う
- 殺人を告白する→ジヨンの横で目覚める
頭の中でこのループに陥っているからこそ、最後に完全に狂気に苛まれてジヨンを殺害したのではないか。
浅井とジヨンの追いかけごっこはなく、疑心暗鬼になった浅井が目覚めてジヨンを殺害した…というのが事件の真相という可能性もある。
もしかすると、ジヨンの告白すらも高山病の浅井が聞いた幻聴や夢なのかもしれない。そう考えると時間と思考がループしているような興味深い作品である。
考察2:山とさゆりの呪い
浅井が正気を失った理由は高山病(標高の高い山で低酸素状態により引き起こされる体の不具合)である。
そして映画ではさゆりの幽霊が幻覚として出てきたり、浅井の回想のなかでのさゆりがこちらを見つめるような意味深な眼差しだったのも印象的である。
表面上は高山病にかかった浅井がさゆりを殺した罪の意識から頭が変になってしまったと捉えられるが、考え方によっては山とさゆりの呪いのようにも見えるから面白い。
次のページでは映画と原作漫画との違いを解説↓↓
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